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ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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2羽のフクロウ

2羽のフクロウ_b0143231_1944374.jpg2羽のフクロウ_b0143231_1949039.jpg












 フクロウが2羽、これはガラスモザイク教室のS・Sさんの作品です。彼は普段、富士山の3部作等といった、自分でテーマを決めた風景画を作っています。つい最近は霞ヶ浦の帆掛け船漁の帆船の作品を完成させました。箸休め…と言っては何ですが、彼はそういった少し気合いの入った作品の合間に小さな作品も作ります。このフクロウの作品も大作と大作の狭間に、肩の力を抜いて短時間に作った作品です。これが何故2点あるのかと云うと以下のようないきさつがあったからです。




 7月にギャラリー古屋敷でガラスモザイク教室の作品展をやりました。その時にS・Sさんがフクロウの小品(左の作品)を出品しました。この作品は案内状にも印刷されていましたが、それを持って、とある方が展覧会場にお越しになりました。その方は年配のご夫人で、作品をしばらく眺めた後で「これはお幾らですか?」と聞かれました。いわゆるフクロウ物を蒐集しているのだそうです。そういえば、なるほどフクロウ模様のキルトのバッグを下げておられました。売り物では無かったのでその旨をお伝えしたところ、「これを目当てに来たんだけれど…」と、とても残念そうにおっしゃいます。あいにくその日はS・Sさんはお休みだったので聞いておきますとお答えしました。後日その事をS・Sさんに話したところ、その作品はあげる人がいるから売れないが、そういうことならもうひとつ作るという返事が帰ってきました。それは良かった、一件落着と思いました。ところがその新しい作品が出来上がって来たところで問題が一つ出て来ました。その方の連絡先が分からないことに気が付いたのです。記帳して頂いた時にメモ書きをして置けば良かったのですが、うっかり忘れていました。案内状は自分達が出した分と画廊主の吉田さんが出して下さった分があります。その方の持参された案内状は吉田さんから届いたものに違いないと勝手に思い込んでいたので、彼に聞けば誰なのか直ぐに分かるだろうと思っていました。ところが、伺ってみたけれども知らないとのことです。芳名帳を見てもしるしが無いのでどの方か特定出来ません。折角作ったのに、行き先が分からなくなってしまいました。S・Sさんも「売れたお金で、皆でご飯を食べに行こう」なんて言ってくれてたのですが…。
 お客さんが何処に居るのか分からないのに、発注を掛けたみたいな事になって、S・Sさんに申し訳ない事をしてしまいました。しかし、全く無駄になった訳でも無かったようです。S・Sさんも最初のフクロウには納得して居ない部分があったので作り直したかったのだそうです。胸の白い羽毛があばら骨みたいに見えるのが気になっていたそうです。今回の作品を見ると、なるほど改良されていました。縦長の亀甲模様が丁度柔らかい羽毛のように見えます。最初の作品は全体にも少し硬い感じがしますが、新作は肩の線も柔らかくフクロウがリラックスして見えます。
 モザイクは同じ図柄でもピース割り次第で作品が大きく左右されます。その恰好のサンプルになりました。食事を御馳走になれなかったのは残念ですが、作り直しをしたことは大正解だったようです。
by mosaiquedodeca | 2008-11-30 19:53 | ガラスモザイク教室