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ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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パンとワイン3

パンとワイン3_b0143231_7193625.jpg


 以前、パンとワインをモチーフにガラスモザイク作品を作りました。今回また同じテーマで新作を作りました。しかしこの作品は、実はリサイクル?作品です。というのは、元々違う作品の一部から生まれた作品だからです。
 最初は下の作品を作っていました。しかし、途中で断念しました。パンとワインのボトル、そしてワイングラスを組み合わせた作品だったのですが、周りの色がどうしてもうまく行きません。
 ガラスモザイクは絵具の様に自由に色を作れません。持っているガラスの中から選んで使うしかないのです。フランスパンの皮の部分はパリパリ感を出したかったので、硬い感じの金属質(銅粉〈のようなものかも〉を練り込んだキラキラと反射する)のガラスを使いました。ところが・・・・

パンとワイン3_b0143231_7201845.jpg


パンとワイン3_b0143231_7204019.jpg


 周りの部分がどんな色を入れてもしっくりいきません。明るくすると焦げ過ぎたパンの様になって美味しそうではありません。暗い色もダメでした。グレイも茶色も紫もみんなしっくりいきません。そもそもワイングラス&ボトルとの組み合わせが悪いんじゃないか?と思って外しました。

 さて、外したグラスとボトルのセットを使って何か作品が作れないだろうかと考えて制作したのがこの作品です。その制作過程をご紹介します。

パンとワイン3_b0143231_7212213.jpg
縦長の小品にしました。下が大きく空いてしまうので、パンの切り口が見える様に置いてみました。切り口の部分はパンの中身の柔らかさを出せる様に、キラキラでは無く優しい色合いと柔らかな質感のガラスを使いました(※)。

パンとワイン3_b0143231_722256.jpg
コルク栓をころがして、後は周りを埋めます。薄緑色にしましたが、これもキラキラ系の色です。キラキラ系の色は練り込みガラスなので、部分によって色が違います。個体差が結構あるので選びながら配置して行きます。

パンとワイン3_b0143231_725255.jpg
明るいパンの切り口の周りは暗めの色を選んで、パンの皮の周りは明るめの色を配置しました。

パンとワイン3_b0143231_7253246.jpg
     ほぼ出来上がってきました。


 さあて、残ったパンの方はどうしたものか、只今思案中です。

パンとワイン3_b0143231_726577.jpg


 パンとワインの作品は東京銀座で他の作品と一緒に(全部で7点の小品です)展示いたします。

第40回 朝の会展
2013,11,21(木)〜24(日)まで
AM10:00〜PM6:00(初日は1:00から最終日は5:00まで)

 私は「朝の会」の創立メンバーなのですが、絵を描けない時期があったりして、退会していました。今回はゲスト出品ということで展示することになりました。銀座に絵を並べるなんて何十年振りでしょう。沢山の油絵と一緒に飾られてどんな感じになるのか怖くもあり楽しみでもあります。


※ この種類のガラスタイルは角砂糖のような、あるいはザラメのような質感を持ったガラスです。粉々に砕いた色ガラス(カレットと言います)を配合して色合いを作り、それを暖めて溶かし、冷まして固めて作っています。しかし、溶かし切らない様に加熱してあるので、つまり途中まで溶けたところで固めるのでザラザラの質感が残ります。色んな種類の(色)カレットを均等に混ぜるので一回の製造では色合いがほぼ均等になり個体差は生まれません。私はこの種類のガラスタイルの事を「ザラメ」と呼んでいます。
by mosaiquedodeca | 2013-11-18 07:29 | ガラスモザイクの制作