ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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デッサンのモデル

 「だっ だいじょうぶですか?」と思わず訊いてしまいました。彼は椅子にシーツを包み込むように被せたかと思うと、いきなり前屈みになり座面に肩を乗っけてひっくり返ったのです。そのまま椅子の上でガニ股開きの逆立ちで5分。 それはまるで何処かの間抜けな男が高いところから真逆さまに落ちて、地面に頭をのめり込ませて固まっている、ギャグ漫画の1コマのようでした。4回ある5分ポーズの最後のポーズでした。

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        おら〜落っこちまっただ〜


 私は千葉のNHKカルチャーセンターでデッサンの講座を持っています。月2回の講座は3ヶ月6回で1クールです。その6回目、最後の回にモデルを呼んで人体あるいは人物デッサン(クロッキー)をやります。モデルさんの都合もあるので総てではありませんが、ほぼ毎回同じ人を呼んでいます。舞踏家のK氏です。

 舞踏家のようなモダンダンサーが私の講座のモデルには一番良いのです(※)。先ず、ポーズが面白い。当たり前ですよね、その道のプロなのですから。クラシックバレーのダンサーも美しいポーズをしてくれるのでとても良いのですが、ずっとやっていると幾つかのポーズに固定されてしまいます。基本に忠実な方が多いので、あまりヴァリエーションが無いのです(人に寄るのかも知れませんが)。そこへいくと、創作ダンスをやっている方は常日頃振り付けを考えていらっしゃるのか、とても面白くて、変(失礼)なポーズをとってくれます。特にK氏は、もう5年位前から頼んでいますが、毎回面白いポーズをしてくれるので飽きません。彼も私が求めている事を良くわきまえていて、来る度に新しいポーズを考えてくれます。

 人体デッサンは20分ポーズを3回、10分ポーズを2回、最後に5分ポーズを4回やって終わります。生徒の皆さんは20分ポーズの時にはなかなかスムーズには形が取れずモタツいていますが、10分ポーズの頃にはホグれて調子が出てきます。5分ポーズになると時間に追われるせいか、バンバン描きます。

 私の指導は主に20分ポーズの時に行います。10分ポーズの時にはあまり時間が無いのでワンポイントアドヴァイス程度です。そして5分ポーズでは何か指導しようとしても、直ぐに時間切れになってしまうので、見て回るくらいしか出来ません。そして特に面白いポーズだと私も描きます。前回は面白いポーズばっかりだったので3枚も描いてしまいました。上のデッサンはその最後のポーズです。

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     シーツの端を掴んで腕にぐるぐる巻き マント? それとも翼?

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   布ですっぽり包んだ頭を抱えて込んで身もだえている人 一体何を悩んでいるのか?

 K氏の舞台を見に行った事があります。その時、教室で取るポーズの元がここにあると思いました。ズタズタの布を身につけ、棒などの小道具を使って次々に色んな振り付けのダンスを展開して行きます。何かを描写しているような意味ありげな動き、見た人が勝手に何か物語を紡げそうな踊りでした。そしてそれを見て、教室で取るポーズを見ながらいつも感じていた事と同じ事を感じました。それはユーモラスだということです。激しい踊りなのですが、所々に思わず微笑んでしまうような何となく可笑しい動作が・・・。教室では一言二言位しか言葉を交わしませんが、片頬笑いの笑顔で少し恥ずかしそうに話す彼の人柄そのものが出ている舞台だと思いました。

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   これは別の時に描いたもの 背中の筋肉が見事だったので描きました


※ パリの装飾美術学校にいた時に人体デッサンの授業でダンサーがモデルをした事がありました。その時講師が彼にスローに動き続けるように指示を出しました。彼は非常にゆっくりと、さまざまなポーズを切れ目無く展開していきました。我々学生はそれを大急ぎでデッサンし続けるのです。左から右に連続的にデッサンが出来上がります。スポーツ選手の動きを分析する為に撮った連続写真のような具合です。最初は動く人なんか描けるものかと思いましたが、描いてみるとこれが結構面白い。胴体を描いている内に腕の形が変っていく。腕を追っかけていると胴体の傾きが変化し、重心が右足から左足に移る。立っていたと思ったら徐々に屈んで行き、寝そべってしまう・・・というような状況で、必死になって線をひいている内に、運動感のあるとても活き活きとした連続デッサンが出来上がっていました。

ダンサーをモデルに呼ぼうと思ったのはこの時の経験からです。カルチャーセンターではさすがに連続デッサンは難しいと思ったので、短時間のポーズにしている訳です。短時間のポーズだとモデルさんも思い切ったポーズがとれます。20分は持たなくても5分なら維持出来るという奇抜なポーズが可能になるのです。

舞踏家と云う存在を初めて知ったのはやはりパリにいた時でした。1970年代の最後の頃、大野一雄さんがヨーロッパで路上ライブをやっておられた時、パリの小さい教会の前で「アルヘンチーナ」という演目の踊りを見ています。その後大野さんがヨーロッパツアーをされた時にもパリの劇場で見ました。この時は友人のピアニスト(日本人)が演奏家として雇われて一緒にヨーロッパを回っていたので、彼から無料のペアチケットを貰いました。そこで仲の良かったクラスメイト(パトリシア)を連れて見に行きました。終了後、楽屋を尋ねたら大野さんが迎えてくれて、握手をしてくれました。パトリシアはこれに感激して「握手してもらった!」って大喜びで言っていたのを憶えています。

同じ頃、田中泯さんもヨーロッパで路上ライブのような事をやっていて、ある時装飾美術学校の中庭で踊りました。これは学校の講師が個人的に彼を呼んで来て、昼休みに踊って貰ったのです。泯さんは大事なところを袋ごと包帯で巻いて隠し、素っ裸に白粉を塗った格好でうずくまった状態から踊り始めました。そしてゆっくりと体を伸ばしていき、ひっくり返ったり、縮こまったり、トカゲのような格好をしたり・・・(おそらく、振り付けでは無い)色んな動きをしました。階段を背中から逆さまに降りたシーンと “最初の形は胎児の形なのか?” と思ったことを憶えています。大野さんの教会前のライブもそうでしたが、いわゆる大道芸なのでノーギャラです。従って終了後、講師が観客(学生達)から帽子にお金を集めて回っていました。

そして、美術学校の講師が、集めた幾ばくかのお金を渡して、高名なアーチストをそのまま帰す訳がありません。その後は階段教室に移ってインタビューです。泯さんには通訳の女性がついていました。ところがその方「折角日本人の学生が居るのだから学生同士でやったら良い」と言って、私を通訳に指名してきました。もう1人下級生の日本人の女の子がいたのですが、太々しい顔をしていた私に(多分当時はそんな顔をしていたと思います)お鉢が回った次第です。

仕方なく、というより半分面白がって通訳を引き受けました。学生の色々な質問を日本語に訳し、泯さんが考えながらゆっくりと答えるのをフランス語にして伝えました。そしたらある質問の時、調子に乗って自分の感想というか見解を付け加えてしまい、通訳の女性に怒られてしまいました。 “日本(で踊っている時)とヨーロッパでは何か違いがありますか?” という質問に泯さんが、身体表現家らしく身振り手振りを交えながら、「空気が違う」と仰ったのを訳した時です。「気候、湿度もちがいますからね」って、ついうっかり付け加えてしまったのです。そしたら通訳の女性に日本語で「違う!違う!そういう意味じゃない!」って即座に否定されてしまいました。そりゃあそうですね。そんな単純な意味じゃありませんよね。でも “空気が違う” なんて抽象的な事を言われたって・・・ “意味分からない” って思って、余分な、何の意味も無い事を言ってしまったのです。しかし、直訳でもいいからそのままの言葉を言った方が、聞いているフランスの学生が意味を考えるから却ってよかったのだろうな、と今は思います。
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# by mosaiquedodeca | 2016-04-14 22:41 | 絵画の教室 | Comments(0)

ビーグルの思い出

 八王子の借家に住んでいた時、迷子の犬を保護した事があります。近所をうろついていた犬を一時的に預かって飼い主を捜しました。犬の似顔絵(肖像画)を描いて電信柱に貼付けたりしました。動物NGの家だったので、こっそりと玄関に匿っていましたが、夜中に遠吠えをするので近所に住んでいる管理人にバレないか、ドキドキしました。何日か経っても飼い主が見つからなかったので、地元の友人に私たちの代わりに保護して新しい飼い主を捜してくれないかと頼みました。彼は農家の長男で、敷地が広いので遠吠えをしても近所迷惑にはならなそうでしたから。彼は「取り敢えず見に行くよ」と言って直ぐに来てくれました。そして犬をしげしげと眺め、そのまま連れて帰りました。飼ってくれる人を捜すのかと思ったら、そうではなく自分が飼うつもりで見に来たのだそうです。番犬が欲しかったとの事でした。

 その犬はビーグル犬でした。他の犬種が混じっているようには見えなかったので、多分純粋種だったと思います。私たちはビーグルを縮めて “グル” と呼びました。黒と白と茶色の組み合わせが、ヨーロッパの上品な色合い、イメージとしてはイタリア紳士の晩秋の服装のようで、なんとも言えず美しいと思いました。このシックな色合いは “黄金” の組み合わせのように感じ、すっかり気に入りました(※1)。4日間という短い期間でしたが、初めての犬との生活はしっかりと心の中に残りました。 “なんて可愛いんだろう、家で飼えたらどんなに嬉しかろう” と思いました。ビーグルの哀愁に満ちた眼差しに心を奪われてしまったのです。

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  紙がかなり古くなって痛んでしまいましたが、その時に描いたグルの様子です

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  顔の正面からも描いたような記憶がありますが、それは見つかりませんでした

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 八王子には4年間住み、その後千葉県に家を建てて引っ越しました。5年程して家の裏に死にそうになってうずくまっていた子犬を保護して飼ったのがクーコです。クーコは日本犬の血の濃い犬でした。グルに魅せられた体験から、私は飼うとしたらビーグルが良いと思っていました。しかし、目の前の消えそうな命を見た時には そんな事は頭の中からすっかり消えていました。飼い始めたら今度はクーコの可愛さに魅入られて “日本犬って良いな、この可愛さは洋犬の比じゃない” なんて思うようになりました。日本犬は世界の犬の中でも特別な存在にすら思えました。誰にでも愛想の良い洋犬(私の勝手なイメージですが)に比べ主人以外には懐かない、凛とした性格(これも勝手なイメージ)がとても素晴らしい特質だと。事実クーコは私たち以外の人間には愛想良くはしても決して心を許しませんでした。他の人とはいっさい散歩が出来なかったのです(※2)。ナンダカンダ言って、結局出会った犬はみんな好きになるんじゃねえか?って突っ込まれそうですが・・・。そうかも知れませんが、私に自覚はありません。

 ユーちゃんが来てから思った事は、彼女にはビーグルの血が少し入っているのじゃ無いか? と云う事です。少し首を傾け二重まぶたでじっとこちらを見るその眼が、忘れていたグルを思い出させました。顔の皮が少し余り気味で眉を寄せると眉間に見事な皺が出来て “困った顔” になるところ。ビーグルのようにちょっとコミカルな表情を見せるところはとてもキュートでチャーミングです。家内によれば、散歩の途中にすれ違う人が何人も振り返ってニコニコして見るのだそうです。私も先日同じような体験をしました。グレーのふわふわ毛の大型犬(多分秋田犬)を連れたおじいさんが、その犬に向かって背中の毛を逆毛立て唸り声をあげているユーキを見て、満面に笑みを浮かべ「良い犬だねえ」と言うのです。「何かいろいろ混ざっているみたいなんですよ」って返すと「良い犬だ、カッコいいよ!」とニッコニッコ顔で言いながら去っていきました。何だろう? 良い犬って言われて凄く嬉しかったのですが、何かちょっと引っかかる感じが・・・。もしかして、雄犬だと思われたのでは?? ま、いいか。さてもう一つ、グルを思い出させたのはご飯の食べっぷりです。グルは缶詰をあげたらあっという間に食べてしまうのでびっくりしました。一口か二口で平らげてしまうので、洋犬て凄いなあと思いました。ユーちゃんもそれに近いものがあって、何をあげても速攻平らげてしまいます。クーコとは大分違います。親兄弟とはぐれて私たち夫婦に大事に育てられたクーコは、脇から誰かにご飯を盗られる心配が無かったからでしょうか、ゆっくりと落ち着いて食べました。ユーちゃんはきっと大家族の中でくんずほぐれつ、争いながらご飯を食べて育ったのでしょう。それとも、もしビーグルの血が混じっているのなら、元々の性質なのかも知れません。

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          それにしても見事な額の皺

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          秋田犬に向かう勇猛なユーキ


 前回の記事でも書きましたが、ユーちゃんは最近散歩の途中で犬や猫に遭遇すると逆毛立つことが多いです。思い起こしてみると、最初の頃はそんなこと無かったように思います。つまりこれは、 “ここら一帯は自分の縄張りだ” って自覚してきたという事でしょうか? 始めはよそ者らしくしおらしい態度だったけれど、自分の縄張りとなれば違います。この中で出会うヤツに “ここは自分の散歩の場所だって示しとかなくっちゃ” と云う事なんですね、きっと。そして一昨日、もう一つユーちゃんが以前と違って来たと思える場面を見ました。散歩中にEさんに出会った時の事です。「こんな遠くまで散歩に来てるの?」「ええ、よく来ます」こんな会話をしながらEさんがユーちゃんを撫でようとしたら、ユーちゃん、後ずさりしたんです。何だか怖がっている様子。来たばっかりの頃に会った時は、一生懸命愛想良くして可愛がってもらっていたのに・・・。 “この人だ〜れ? 可愛がってもらっても大丈夫なの? お父さん” てな顔で振り返り、私の反応を確かめます。そして、恐る恐る近づいてようやく頭を撫でてもらいました。これはどういう事なのでしょうか? “良く知らない人にはもう愛想良くしなくても良いんだよね! だってもう私はO家の家族なんだから” って事?

 さて八王子のグルは友人の家で「ジョン」という名前になって、立派な番犬になりました。何ヶ月後かに彼の家を訪れた時、私たちは思いっきり吠えられてしまいました。命を助けてあげたのに、あんなに私たちにすがっていたのに、なんて恩知らずなヤツかと一瞬思い、なんだか寂しい気持ちになりました。しかし、 “新しい飼い主の所で一生懸命仕事をしているのだ、これで正解なのだ” と思い直す事にしました。でも、ちょっと複雑な気持ちでした・・・。

 アグリ犬猫里親会の保護っ子を預かっている方達はもっと長い間、一生懸命関わる訳なので、もっともっと情が移るんだろうなあと思います。きっと複雑な気持ちを抱えながら卒業(譲渡先が見つかる事)させ、また次の犬を預かる。そしてまた・・・。私たちには真似出来ませんね、いろいろな事情もあっておそらく無理です。その代わりと言う訳ではありませんが、そんな風に縁を繋いでもらったユーちゃんを大事にすることでその苦労に報います。それが私たちの役割で、多分一番喜んで頂ける事だと思っています。私たちには「博愛」はなかなか難しいけれど、「家族愛」なら沢山持ち合わせがあるのです。

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       頭を撫で撫で

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       夕食後のまったり顔

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       私の手にやたらちょっかいを出すと思ったら・・

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ぺろぺろぺろぺろ・・ぺろぺろぺろぺろ。以前は自分の足をぺろぺろして、私の事は無視だったけど、今はこんなに親愛の情を示してくれるようになりました。とっても嬉しい。だけど・・この後、手がヌルヌルして石けんで洗ってもなかなか取れませんでした。



(※1)その後家で飼った犬猫は総てこの組み合わせでした。猫のプータはアメリカンショートヘアー(模様や体型、性格はアメショーそのものだったので、おそらくその雑種)のブラウンタビー、黒と茶色と白。アメリカンショートヘアーと言えば黒と白のシルバータビーが一般的ですが、プータは茶色が入っていました。クーコも同じ色の組み合わせでした。そして、外見がクーコにそっくりだったことが我が家に来るきっかけとなったユーキちゃんも、当然同じです。これは偶然でしょうか・・・。
 ただ、人工的に作られた種類以外の、つまり雑種の犬猫は基本的なこの3色が混ざるのが自然なような気もします。 犬や猫は人間との歴史が長いので人の手で飼い易いように、また特定の仕事に向くように変えられてきたのは理解しています。外見もそれに伴って、より特徴的に、人の趣向に合わせて作られている事も。 しかし私はどちらかと言うと色んな血が混ざった、言葉は悪いですが少々トッチラカッタ、ある意味でナチュラルな、そういった存在に美しさを感じてしまいます。 それは、画家である私が、奇麗に手入れされた庭園を風景画として描く気になれないことと似ています。刈り込みの入った松の木などは全く絵になりません。他の人から見ればどこにでもある何でも無いような風景の中から、独自の視点を持って絵を構成するのが画家の仕事です。既に庭師というアーチストが仕事をした後の庭からは自分のやるべきナニモノをも見つける事が出来ないのです。風景を描くなら、そう遠くない範囲で、山や木や森、畑や田んぼ、川や道等どこにでもあるものの中から、見る場所によって面白く感じられるポイントを探して描きます。
 クーコが天国に行ってから、次に飼う犬はペットショップやブリーダーから買うことは全く考えていませんでした。私は偶然に生まれたその犬固有のもの、私にしか見つけられないような良さに惹かれます。そういった存在の中に、よりいっそうの美しさを見てしまうからです。
 里親募集サイトならそういう犬を必ず見つけられると思いました。探したのは犬種のはっきりした犬ではなく、クーコのように何が混じっているのか分からないが、とっても “可愛い” 犬でした。そして見つけたのがユーキだったという訳です。
 ここで言う “可愛い” というのは、例えば “子犬が可愛い” と云うのとはちょっと違います。子犬はとっても可愛いですが、それはどんな個体にも共通の “赤ちゃん” としての可愛さです。無垢な存在そのものが可愛いのです。それとは違って私の言う可愛さというのは、その犬の性格と生い立ちや置かれていた境遇などが相まって醸し出される、個体としての可愛さです。いわゆる個性のことですが、それは未成熟な子犬よりも成犬の方がより見つけやすいのです。 今でも里親募集サイトを毎日見ていますが、私(たち)の目に留まるのはそういった犬ばかりです。我が家では多頭飼いは難しいですが、どうしても “もしこの子がユーキちゃんと一緒に家にいたら・・・” なんて想像をしてしまいます。


(※2)クーコは私たち以外の人間が散歩させようとしても決して追いて行きませんでした。毎日頭を撫でて可愛がってもらっている人にリードを渡しても、2〜3歩行ったところで、ピタッと足を止めて後ろを振り返ります。そして私(あるいは家内)が行かない事が分かるとそこから先は一歩も進みません。私たちのどちらかが後をついて行けばそのまま行くのですが、その人だけだと行かないのです。
 ☆ たった1人だけ例外の方がいました。その人は私たちも大好きな方で、全く邪心の無い天真爛漫な、天使のような方でした。とても明るい大きい声で「さっ、クーコ行くぞ!」って歩き出すとクーコもつられてピョンピョン歩いて行きました。私たち以外でクーコと散歩が出来たのは後にも先にもその人だけでした。




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# by mosaiquedodeca | 2016-03-13 06:54 | 猛描プータと愛犬クーコの話 | Comments(0)

粟生野教室生徒作品

 最近ずっとユーキの事ばかり書いていますが、元々このブログはガラスモザイクについて書き始めたものです。関係ない事ばっかりで「何が《ガラスモザイク通信》なんだよ」って言われそうですので、今回は自宅でやっているガラスモザイク教室の皆さんの作品をご紹介します。

 M・Sさんの作品から。彼女は自宅でも精力的に作品を作られていて、もの凄いスピードで量産されています。元々美術系の方なので飲み込みも早く、スイスイと仕事を進めています。

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           アケビのつる。色彩感が良いですね

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野菜三部作 大根は私の作品のコピーですが、玉葱&長葱はその応用編です 私も長葱を作ろうかと考えています、逆輸入ということになります

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これも私のお寿司の作品を参考に作られました 大トロ、しめ鯖、青魚(ハマチ?サバ?なんだか分からないけど美味しそうな光りものですね)そしてイクラの軍艦巻き こういう盛り合わせも作ってみたいですね お互いにパクリっこになりそうです:でも全然違う作品が出来上がるので将来贋作騒ぎになる事なんてありえないですね

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画面が小さかったのでしっぽの部分だけの作品になりました しかし部分だけですけど、鰹の感じが良く出ています 腹の線が鮪ではなく鰹に見せ、ハイライトの白いガラスピースがギラッと光った鰹の脇腹を表現しています 脂が乗って旨そうです、ハイ

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   クリスマスが近づいたらディズニーランドのキャラクターもこんな風に

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象(牙が長いのでマンモス?)をうまく円の中に配置してますね 楽しい作品です

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オリーブの枝越しに見る夕暮れの景色 家と糸杉?とサイロ?ですかね 牧歌的な情景ですね

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これはまた幻想的な作品 月の「ウサギの餅つき」を見ている2兎のウサギ  餅つきウサギはお尻を突き出し、なんとも可愛いです 頭の後ろの耳がバラけていて運動感があります 見ているウサギも1兎が連れ合いの方を向いて何やら会話しています なんでこんなに楽しそうな絵が描けるんでしょう

 次は水に絡んだ作品。液体の表現を見て下さい。

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コップの水 ストローがついているのでジュースか何かのようです 色からすると青汁ですかね

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金魚鉢 鉢のハイライトを大胆に表現しています この作品を見たときマチスの金魚の絵を思い出しました

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この絵を画集で初めて見た時驚きました 平面的に色を塗り分けているだけなのに、立体感、奥行きが感じられて唸ってしまいました(※)

 M・Sさんは他にもいっぱい作品(写真撮ってない)があります。またそのうちアップします。 今回はM・Sさんの作品だけでいっぱいになってしまったので他の方々の作品は次回ご紹介します。


※ マチスの不思議な空間の表現には教えられる事が数多くあり、それらを考え、研究する事で私の絵画に対する見方が変わりました。そのことによって空間表現に関する考え方が確立したといっても過言ではありません。













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# by mosaiquedodeca | 2016-03-10 12:47 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)

逆毛

 この頃電車に乗れば周りは皆、スマートフォンを見て夢中になって何かをやっています。私は時代から取り残されているのかも知れません。未だガラケーを使っています。しかもその古い携帯ですら、この間やっとマナーモードを解除して電話の着信音を鳴らすことに成功した・・・なんていう機械(携帯)音痴です。ずっと音が出なくて、ブルブルでしか着信を知る事が出来ませんでした。ボタンを押してマナーモードにしたまま(そのボタンの存在を忘れて)何年か経ってしまっていたのです。何故音が出ないんだろう?といろいろ試してみましたが、どうしても音が出ません。「機能設定」から着信音の設定を変えてみたりいろいろやりましたが、改善出来ずに時間が経ってしまいました。分かってみれば至極簡単な事で、マナーボタンを押してマナーモードを解除すれば良かったのです。

 そんな訳でユーちゃんの散歩の途中で写真を撮るのに苦労しています。どういう事かと言うと、つまりガラケーの古いカメラなので、画素数が小さいだけでなく、シャッターが鈍いのです。チャンスと思ってボタンを押しても一秒くらい遅れて撮影されてしまいます。良いシャッターチャンスを捕まえる為にはユーちゃんの動きを予想して、一秒前くらいにシャッターを押さなければなりません。

 ユーちゃんが来てから撮りたいと思っていた写真が2つありました。一つはジャンプして前足立ちでオシッコをするところ。つまり逆立ち状態のオシッコ。ユーちゃんの身軽さ、身体能力の高さを表していて面白いと思います。これはブログに載せると家内に怒られそうなので(オシッコをしているところなんて公開するな!と)、たとえ撮れても紹介出来ませんが、(家内が心配するまでも無く)未だに撮れていません。

 そしてもう一つは逆毛の写真です。来たばかりの頃はそんなでも無かったのですが、最近散歩の途中に犬や猫に遭遇すると、やたらに背中の毛が逆立ちます。怒っているのか、警戒してるのか、怖がっているのか・・・。

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     背中の毛が盛り上がっています(離れた道を散歩中の犬に向かって)

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    道の途中で背中の毛が盛り上がって来ました どうしたんでしょう?

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     道の脇にこの猫がいたからでした 猫も背中を丸めて警戒しています

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          猫は逃げてしまいました

 平常時と逆毛の時のユーちゃんの写真を比較してみました

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上の写真の逆毛が2、3秒後には修まって下のようになってきます(若干残っていますが)


 ところで、去年の夏に亡くなったクーコとユーちゃんの逆毛には明らかに違いがあります。クーコは背中の肩甲骨の内側辺りだけがくっきりと盛り上がり、腰からしっぽにかけては全く逆立ちませんでした。犬によって違うのは不思議ですね。

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       クーコは肩の上だけが盛り上がっています

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         この黒い縁取りの中だけが逆立つのです

 以下、気に食わない犬が通った時のクーコの様子。それにしても怒り方が凄かったです。今思うと野性的だったなあ・・・。あんまりクーコが強く(しかも突然)引っ張るので家内は手首を痛めてしまいました。それに比べるとユーキちゃんは比較的大人しい怒り方で、分別をわきまえたシティガール(コミュニケーション上手)という感じです。最早若く無い我々夫婦には有り難いことです。よくぞ我々に相応しい子が来てくれたものだと思います。縁を繋いで下さったアグリ犬猫里親会、海ママさん、感謝しています。

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     ロープが千切れんばかりに勢いよく引っ張っています。

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     右に左に走り回る・・・・・・・
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# by mosaiquedodeca | 2016-02-18 14:29 | 猛描プータと愛犬クーコの話 | Comments(0)

関東の冬

 暖冬と言われた今年の冬も、ここのところ寒さがかなり厳しくなってきました。私の出身地新潟県も雪が沢山降り積もっているようです。東京に出て来た時、他人からは雪国出身なので寒さに強いだろうと思われていましたが、必ずしもそうではありません。私にはむしろ故郷より東京の方が寒く感じられました(都会の人が冷たいという意味ではありません)。雪に埋もれて暮らすのは案外寒くなかったように思います。日本海側の雪は湿り気があって高く積もるので、それが風除けになって寒風を遮ってくれたからかも知れません。また、雪国のような大袈裟な防水&防寒着も着ずに薄着になっていたせいもあると思います。あるいは、田舎にいた時は子供だったのであんまり寒さを感じなかったのかも知れないですね。

 いずれにしろ、日本海側と関東では、冬の気候が真逆です。鉛色の空と雪に埋もれて、ドテラを着て炬燵に足をつっこんでいる生活から、カラッと晴れた空の下、比較的軽装で外に出て行く日常は、かなりのギャップでした。殊に冬の関東特有の乾燥した空気と眩しい光は印象的でした。

 毎朝のユーキの散歩は、眩しい光の、色の飛んだ(光と影のコントラストが強すぎてものの色が見え辛い)景色の中です。写真を撮ると影の黒さが目に留まります。

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         さあ出掛けるぞ!

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       今日はこっちだ!

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 せわしなくあちこち匂いを嗅ぎながらずんずん歩いて行くユーキの影を見ていて、ふと “アルベルト・ジャコメッティ” の犬の彫刻を思い出しました。

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 この犬の彫刻の素晴らしさは、文才に恵まれない私が説明するより、ジャコメッティと親交のあった “ジャン・ジュネ(※)” が書いていますので紹介します。

「ブロンズの犬、ジャコメッティのこの作品は見事だ。その奇妙な素材、細紐や麻屑混じりの石膏が落剥していくと、それはいっそう美しくなった。前足の曲線、ほっそりした関節はないが感覚にあふれたその曲線はなんとも美しく、ただそれだけで、犬の柔らかな足どりをぴたりと表す。というのも、この犬はうろついているのだから。地面すれすれに鼻面を伸ばし、嗅ぎ回りながら。この犬は痩せている・・・・

・・当初は悲惨と孤独の徴として選ばれたとしても、私にはこの犬が、調和のある花押のように描かれているように思われる。背骨の曲線が、足の曲線に対応しているように。だが、この花押がなお、孤独というものの、至高の壮麗化なのである。」


 ジャコメッティの彫刻でもう一つ私が大好きなのが猫の作品です。

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 ジュネはこれについても私が一番言いたかった事をうまく文章にしています。

 「あの見事な猫のことを、私は忘れていた。石膏の、鼻から尾の先までほとんど水平の、ネズミの穴にでも入れそうな猫のことを。その硬直した水平性は、たとえ怒って背を丸めているときでさえ猫が保っている形態を、完壁に表現していた。」

 昔、私が若かった頃に池袋の西武デパートでジャコメッティの展覧会開かれました。その時この彫刻を見て私は、そのリアリティに驚き、感動しました。針金のような細い彫刻は、当たり前に考えたら猫の外見は全く表していません。しかし正面から見下ろした時、その猫は私に向かって歩いて来るように感じました。動いているような気がしてならなかったのです。この感覚は猫と暮らした経験の無い人には分からないであろうと思いました(私の少年時代に一時期、家に猫がいました)。
プータを飼うようになってから、改めてこの彫刻のリアリズムを感じるようになりました。ある時プータの写真を見ていて得心しました。下の写真を見て下さい。

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 まるまるとしたプータはジャコメッティの猫とは似ても似つかないですが、足元に注目して下さい。前足、後ろ足の4本の着地点が一直線上にあります。これなんですね、猫のバランスというのは。だから塀の上を難なく歩けるのですね。そんな芸当は前足を開いて踏ん張っている犬には出来ませんね。

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 こんな二階のベランダの手摺の上でも平気でいられるのは凄いですね・・・。 この後、遠くに何かを見つけて一瞬飛び降りそうになりましたが(二階から手前のコンクリートの駐車場に:一瞬冷やっとしました)、思い直して体を捻ってベランダの中に降りました。そして、大急ぎで階段を降り一目散に外に飛び出して行きました。




 以下、もう少しユーキの写真を・・・

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     影が濃いですね

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     影を見てもしっぽの中にお月様が見えるユーキ

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     相変わらず見事な巻き尾です


※ フランスの作家、詩人、エッセイスト、劇作家、政治活動家。ジャン・コクトー、ジャンポール・サルトル等に才能を認められた。詳しくはウィキペディアでどうぞ。
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# by mosaiquedodeca | 2016-01-26 19:26 | 猛描プータと愛犬クーコの話 | Comments(0)