ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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猫ねこ展

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 千葉県は匝瑳(そうさ)市に松山庭園美術館という美術館があります。庭園美術館と言えば目黒の東京都庭園美術館を思い出しますが、ここは個人の美術館で、山の中の細い道を抜けてようやくたどり着く、ちょっと辺鄙(失礼)な所にあります。1年程前、近くの美味しいと言われている蕎麦屋を探して食べに行った時に、置いてあったパンフレットを見て尋ねました。蕎麦屋はまあまあ美味しかったですが、感激する程ではありませんでした。しかし偶然見つけた美術館は結構面白く、楽しめました。庭園美術館というだけあって日本庭園の中を歩いて展示館に辿り着きます。中には色んなものが展示してありました。古い油絵(ドラクロアの小品)などもありましたが、中でも良かったのは焼き物でした。詳しく無いので分かりませんが、「なんでも鑑定団」の中島誠之助さんがうなりそうな美しい物がありました。おそらく中国か朝鮮のそれなりのモノと思われます(出所の説明文を見たら聞き覚えのあるようなナントカチンとかの文字があったような気もします)。
 美術館の持ち主、コノキさんがいらっしゃって、コーヒーをいただきながらお話をさせていただきました。置いてあった彫刻の作品集を見ていたら、なんとその作者がコノキさんなのだそうです。バイクや車、扇風機やその他の機械の一部といった、いろんな廃材からとてもユーモラスな作品を作られています。話が盛り上がって展示室の奥のアトリエまで見せて頂きました。図版には無かった実物の作品を、完成品だけでなく作りかけのものまで沢山見せて頂きました。
 かつては何かの機械だった廃材なので、歯車だったり、パイプだったり、出来上がっている形を組み合わせて、あるいは一寸加工して作品にしています。なんでも出来そうですが、どんな印象の作品になるかは案外思うようには行かないものだろうと思われます。笑える作品にしたいと思っても、不気味になってしまったり、人を驚かすような恐い作品を作ろうとしても、笑ってしまうような作品になったりするのです。大袈裟に言えば作者の “潜在意識”に左右されるので、人柄が反映されたり、その時々の気持ちのありようで変わってしまう部分があります。コノキさんの作品はどれもちょっぴりユーモラスで、見ていてとても楽しくなります。邪心が無く見る人を幸せにしてくれる作品で、きっと本人のおおらかな人柄が反映されているのでしょう。
 帰り際に、毎年猫の展覧会をやっているということをお聞きしました。猫に関する作品があったら参加しませんかと言われて、出品する約束をして帰りました。
今年に入って間もなく出品の案内が送られてきました。参加の通知をしたら、3月11日の震災です。匝瑳市と言えば千葉県内でも津波の被害を受けた旭市のすぐ近くです。展覧会は予定通りに実施するのだろうか?と心配しました。しかし4月になってから、「こんな時だからこそやります」という旨の連絡が来ました。鏡の周りに猫の模様を配した作品を2点送りました。なかなか見にいけなかったのですが先日ようやく見に行って来ました。

 「猫ねこ展」には百人くらいの人が出品していました。最初に入った展示室で見覚えのある作風の作品を発見。

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       SGTK君の作品です

彼は猫を題材にした作品を沢山描いていて、猫作家と言っても良いくらいの人なので、ここに出品しているのは考えてみればあり得ることでした。最近は連絡を取っていないので出品しているとは全く知りませんでした。

 もう一点

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これは結婚して仙台に住んでいるSさんの作品

 2人の作品は、知人であるという身びいきか他の作品よりレベルが高く見えました。下は私の作品。

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 展示室を進んで一番奥の部屋(コノキさんのアトリエを仕切って展示室にしてありました)で作品を見ていたら、何処からか「にゃあ〜」という鳴き声が聞こえてきました。最初は、展覧会に合わせてカセットテープか何か仕込んであるのかな?っと思いましたが、こちらが「にゃあ〜」と返事をすると、また『にゃあ〜』と答えます。

どうやら間仕切りの向こうに猫が居るようです。

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       間仕切りにの下に隙間があります

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       そこから覗いてみたら白い足が忍び寄ってきました

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     「 “にゃあ〜” って甘えた声で返事をしてるのは誰かな〜・・・」

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       「そっちにいきたいなあ・・・」


 居間に戻ってコーヒーを頂いていたらここにも猫が居ました。

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       仲良しのようです

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       でもやっぱりこうなります

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       しばらくバトルをしたら飽きたようです

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コノキさんの膝にはもう一匹が乗っかってきました。カメラを向けるとそっぽを向くのだそうです。こゝろなしか視線が合うのを避けているように見えます

 ここには全部で6匹の猫が住んでいるのだそうです。今日はその内4匹と会うことが出来ました。彼等は彼等でちゃんとお客様をもてなしているのでしょう。作品群より、むしろこっちの方が展覧会の主人公かも・・・。
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by mosaiquedodeca | 2011-06-25 06:34 | 展覧会情報 | Comments(1)

目地力

 「目地力」 という言葉をご存知ですか? メジカラではありません。メジリョクです。レンガとレンガの隙間、或いは壁に貼付けたタイルとタイルの隙間に詰まっている物、それを「目地(メジ)」と言います。大抵はセメント系のモルタルで出来ています。タイル用のものは、INAXなどで “目地材”として粉のものが販売されています。ガラスモザイクの場合も隙間に目地を詰めます。剥離防止の役割と、仕上がりの表面を平にならすことでガラスの角の引っ掛かりを押さえる、危険防止の意味もあります。
 「目地力」とは、モザイクに於いてこの目地の効果のことを言います。おそらくこの文を読み始めたどなたも、この言葉を知らないと思います。何故かと言えば、私が作った言葉だからです。いいえ正確には私ではなく、私がカルチャーセンターで教えている生徒さんの1人が作った言葉です。
 ガラスモザイクの制作中の作品には当然ですが目地は施してありません。ガラスチップの隙間には制作台の下地とガラスの影が見えているのですが、その部分はあまり目立たず、並べたガラスの色だけが強く見えています。以前にも書いたことがありますが、モザイクに於いては、モザイク片の “形”と “並べ方”で物や空間が表現出来ます。最も重要なのはそのことで、色合いが正確なだけでは絵になりません。従って、描かれるモノだけでなくその周りの余白の部分もキッチリとモザイク片の形を作って並べなければならないのです。適当な形の組み合わせで隙間を埋めれば良いという訳ではありません。教室ではこのモザイク片の並べ方についていつも厳しく言っています。これが言わばモザイクの “命”だからです。
 このような訳で、たとえ小さな作品でも結構時間が掛かり、皆さん大変な思いをして作られます。ガラスはなかなか思うような形に割れてくれないし、無駄はでるし・・・。ようやく完成した作品を基底材に貼付けて、目地を入れ終えると、作品の印象が制作中と一変します。なんだか心許なかった出来映えが、目地が詰まる事によって立派なものに見えます。苦労して調整したガラス片の形がクッキリと浮かび上がり、その意味合いがハッキリしてきます。とても立派な作品の完成です。目地入れ前と後の劇的な変化に生徒さんの1人が思わず「目地力ね!、目地力ってすごいわ!」と叫んだのが、この言葉の誕生でした。

※ 蛇足ですが、百科事典で調べてもこの言葉は出て来ないと思います。(当たり前か)


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梨が三個並んだ作品。梨のふくらみを現すガラス片の並べ方とそれを取り囲む白い地の部分のピースの並べ方をご覧下さい。チャーミングに仕上がりました。


 以下は目地入れ前後の作品例です。

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by mosaiquedodeca | 2011-06-10 18:51 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)