ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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年末年始は…草津

 昨年に引き続き今年の年末年始は草津に行って来ます。12月24日に出発し1月7日に帰って来ます。仕事です。ホテルでのモザイク体験教室です。遊びだったらどんなに良いかと思いますが・・・。昨年は一家総出でしたが、今年は単身赴任です。クーちゃんを連れて行ったら、あまりにも大変だったので私一人で行く事にしました。
 ということで、しばらくお休みします。

 一足早いですが新年のごあいさつです(せっかちな兎のことなのでお許し下さい)。来年も宜しくお願いいたします。

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by mosaiquedodeca | 2010-12-23 16:27 | Comments(0)
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 外房のアート情報誌「アート・エディター」にまた記事を書きました。今回は耕木杜の阿保さんの作った椅子について書きました。このブログでは今年の2月に市原市で行われた創翔工芸展の後に同じ内容のの事を書きましたが、それを少し練り直したものです。

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 阿保さんの大工の技術が超一流なのは誰でも知っていることですが、私がそれ以上に “凄いなあ” と思う所は、彼の美に対する感覚が鋭いことです。一見どこかにありそうな感じの椅子やテーブル、棚なので関心の無い人なら見逃しそうですが、よく見てみると実にバランスが良く美しい形をしています。そして “どこかで見たこと、あるかなあ…” と思い起こしてみるとどこにも無いことに気が付きます。
 先日、刷り上がったアート・エディターを持って仕事場を訪れたら、楢の板に鉋掛けをしていました。何を作っているのか尋ねたら、「棚を作っているんだけど、出来ているのがあるから見る?」といわれてキッチンに設置してあるのを見せて貰いました。これがまた素晴らしい棚で、機能上の工夫とそれをうまくデザイン化してあるのが面白く、見た目が美しいと同時になんだかカワイイのです。これについてはまたいずれご紹介したいと思いますが、今回は椅子について記事を書きましたのでそれを抜き出してご紹介します。


「生活用具の美
             —阿保さんの椅子と絵画の空間—」

 「このエッジが大事なんだよね」、その一言で私の頭の中に立ちこめていた霧が晴れて見はらしが良くなっていく気がしました。セリフの主は阿保昭則さん。日本一の鉋削りの腕を持つ大工さんです。その彼が自分で作った椅子の背もたれの部分についての一言です。この椅子は一見、機能上の工夫以外には、これと言った “意匠”のようなものは、無いように見えます。ややもすればデザインをしていないというように思われがちですが、実はそうではありません。シンプルな形ですがとてもバランスが良く出来ていて、その飾り気の無い清楚な佇まいから感ずる静寂感こそがが美しい“デザイン”の証しなのです。

 生活用具などのデザインは、実際に物を作る人がするのが良いと、私は思っています。直接手に触れる日用品を見る目を養うのは、素材を五感で感ずる“経験”だと思うからです。デザイナーがデザインした量産品の中にも優れた物は沢山ありますが、手作りのそれとは違う良さだと思います。物作りの長い経験と確かな技術、そして継続する“美に向かう心”が揃って初めて美しいデザインは生み出されるのではないでしょうか。真っ直ぐな物が真っ直ぐに見える為には真っ直ぐに作ってはいけなかったり、手作りでしか出来ない微妙な調整が、案外とデザインの「要」であることが多いのです。

 椅子やテーブルは毎日使うものなので、手触り、重さ、堅さ、弾力、温度そして強度などの全てが、外から見た時にイメージされてしまいます。意識していなくても、一目見た瞬間にそれら全てを感じ取って、そのデザインが好きとか嫌いとか、心地よいとか悪いとか、人の脳は判断しています。物の形は外観上のものでしかありませんが、心理的に大きな影響力を持っています。陶器の茶碗やお皿でも、木工家具でも角の部分のエッジの利き方一つでその作品の印象が一変します。どの程度カドを立てるのか、あるいは丸めるのかで、重くも軽くも、頑丈にも脆くにも、柔らかにも硬くにも見えます。扱い方も豪快に出来たり、そっとやさしく気を使わなければならなかったりと、(実際の強度とは別に)左右されます。その選択が作者の作品に込めるメッセージであり、デザインの重要な要素なのです。

 阿保さんの一言で、彼のデザインの意図 (※) が理解できた気がしました。硬い楢の木が、カンナによって細胞がつぶされずに平らに削られています。椅子を後ろに引くときに手の平にぴたりと吸い付くような感触、適度な鋭さのカドが指の腹に食い込むちょっとした“痛み”は結構心地良いのです。またそれは、椅子を乱暴に扱って床などを傷つけたりするのを防ぐ役割を果たしていたりします。そして何より、私はエッジの立った背もたれの角の鋭い輪郭が周囲の空間に及ぼす緊張感がとても美しいと感じました。それは「絵画」の空間にも共通する要素で、頭の中の霧が晴れる思いがしたのはそのことに思いが巡ったからです。
※ 阿保さんのデザインに関する考え方は「耕木杜」のホームページの月刊コラムNO3に詳しく述べられています。

 “描かれた物の輪郭” の扱い方で絵画の空間表現は決まります。光と陰をドラマチックに演出する作品も、平面的な色面構成で色彩の調和を求める作品も、おしなべてその輪郭の扱いで絵画の美しさは決まると言っても過言ではありません。絵画空間は、線遠近法や陰影法などより、物の輪郭のどの部分をシャープにしてどの部分をなじませるかによって、より鮮明に生み出されるからです。色彩も、そう云う輪郭の緩急によって生み出される、統一された絵画空間の中にあって初めて響きあいます。つまり、エッジの利かせ方によって美しい “絵画空間”は生み出されるのです。(それについてはまたいつか機会があったら述べたいと思います)阿保さんの言葉は、家具と絵画という一見まったく繋がりが無いように見えるモノでも、美を生みだす構造には共通点があるということに気付かせてくれました。

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        明暗の諧調が美しくそのまま “絵”になっています

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四角い支柱のカドは取ってありますが背もたれの曲がり角はエッジが立っています

 最後に絵の空間に付いて書きましたが、私は何でも自分の専門である絵に結びつけて考える習性があります。陶芸についても、最初は自分にはとても理解出来ない世界だと思っていました。ところがある人の作品を貰って、気に入ってしまってから見方が変わりました。決して難しい世界ではなく、絵の見方と同じで良い事に気が付いたのです。造形の美にはジャンルを超えた共通項があるようです。いつかそれについて書いてみたいと思いますが(その陶芸作家のことも)、文章にする事は難しそうです。うまくまとめる事が出来れば “造形とは何か?” ということに少しは迫れるのじゃないかと思うのですが・・・。
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by mosaiquedodeca | 2010-12-20 19:28 | アート・エディターの記事 | Comments(0)

ムシムシコロコロ……

 前回、耕木杜に施したガラスモザイクの元になったデザインが、我が家 ”モザイクハウス”にあると書きました。今日はそれをご紹介いたします。

 モザイクハウスは1995年に建てたのですが、その時に天井を除いて浴室の中全面にガラスモザイクを施しました。風呂は住み始めと同時に使えなければならないので建設時に施工をしました。その後住みながら少しずつガラスモザイクを増やしていきました。2〜3年後にキッチンと洗面室に施し、4〜5年後には居間にも入れました。その頃は、まとまったお休みでないと出来ないので、正月にガラスモザイクの施工をするのが恒例になっていました。
 最初の浴室のデザインは海の中という設定で魚をモチーフにデザインしたものを壁に泳がせました。八王子から比較的温暖な外房に引っ越してきて、海が近いという事もあってブルーが基調になった涼やかなデザインを考えました。次の洗面室は海ではなく熱帯のジャングルのような感じにしようと思って渋めの緑を基調色にしてトカゲやイモリ、蛇、虫などをデザインし壁のあちこちに這わせました。最後に作った居間のモザイクは無彩色の白をベースに緑や茶色の葉っぱを模様にして散らしました。風に葉っぱがハラハラと舞っているようなイメージです。

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 この葉っぱのデザインは「ハッパハラハラシリーズ」と名付けました。洗面室は「ムシムシコロコロシリーズ」で、浴室は「オサカナホネホネシリーズ」です。
 浴室の魚のデザインは胴体を全面魚の色にすると魚の色面が重い感じになり過ぎるので、骨を残して身の色が透けるようにしました。つまり身の部分は地の色にしたのです。その結果、魚が骨になって泳いでいるようにも見えるようになりました(それでオサカナホネホネです)。

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 もう一つデザイン上で工夫した事があります。浴室だけベースの正方形の形を斜めにしました。45度傾けたのです。そうすると魚の模様が水平もしくは垂直になります。それによって水中に浮かんでいる感じが出せるからです。あるいは、真下に潜って行こうとしているか、海面に向かって上昇しているように見えます。それに対して洗面室のトカゲや虫達は壁に斜めに貼り付いているようにしました。ベースの四角が水平垂直だと必然的に彼等は45度斜めを向くのです。居間の葉っぱも斜めになっている方が風に煽られて見えるのでそうしました。

※ リビング、洗面室、バスルームのガラスモザイクはAtelier DODECAのホームページで詳しくご紹介しています。 こちら

以下部分写真です。

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葉っぱの中には緩やかなカーブを描いているものも混ぜてあります。そして、大半は45度の軸に対して左右対称にはしていません(中には虫食いの穴を空けたりして対称になるのを避けたものもあります)。こうすることによって、葉っぱが止まっているのでは無く、宙に舞っているような感じにすることが出来ました。つまり、シンメトリーを壊すとバランスが崩れて運動感が出るのです。
※ これに比べて、洗面室の虫やトカゲが壁に貼り付いてじっとしているように見えるのは、殆どが左右対称に作ってあるからです。

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追伸 耕木杜の樹木のデザインは何シリーズと名付けようか考え中です。
   「コウボクモクモクシリーズ」?・・・・・・。
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by mosaiquedodeca | 2010-12-16 14:09 | ガラスモザイクの制作 | Comments(0)

耕木杜のガラスモザイク

 前回少しだけお見せした耕木杜のキッチンとトイレのガラスモザイクをご紹介します。先ずはキッチンです。

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 キッチンは引きがあるのでモザイク全体が見渡せます。そこでベースの色を両脇から中心部に向かってだんだん明るくなるように配置しました。中央部は上に窓があって逆光になるので明るい白を、両端は落ち着いたブルーとグリーンの濃い色を主にして左右から中央に向かってグラデーションになっています。模様も全体の色調を崩さないように配慮しました。
 それに対してトイレのモザイクは少し調和を破るような色合いの模様も混ぜました。トイレの狭い空間では全体を俯瞰して見ることは無いからです。赤やピンク等の色合いの模様を配置して楽しい感じにしました。

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赤とピンクが華やかな雰囲気をみせています(実はこの模様は私がデザインしたものではありません。耕木杜の事務所の皆さんに一個づつ作ってもらったものの内の1枚です。丁度良い具合に嵌りました)

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       お手洗いの下にもこの通り模様を配しています

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       棚の真下にも光が廻りこのような美しい反射を見せてくれます


 この耕木杜のガラスモザイクのデザインの手法には、その元になったものがあります。それは我が家 “ガラスモザイクハウス” の洗面室とバスルームです。

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         洗面室               浴室

 毎日我が家の前の道を通って会社に行く阿保さんが、ある時ふっと思いついたのだそうです。 “事務所のキッチンにガラスモザイクを入れてみよう” と。その時にイメージしたのが我が家の洗面室のガラスモザイクだったのです。
 次回はこれをご紹介したいと思います。
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by mosaiquedodeca | 2010-12-09 19:28 | 阿保さんと耕木杜 | Comments(0)