ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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<   2009年 03月 ( 3 )   > この月の画像一覧

猫のお誕生日プレゼント

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 今のペット猫からは考えられませんが、私が子供の頃の猫はネズミを捕って食べていました。昔の家にはネズミが住みついていて、夜中などに天井裏でゴソゴソ音がしたり、納戸の中の柱などがネズミに齧られたりしていたのです。かつて猫はネズミを捕ってもらう目的で飼われていた時代がありました。
 私の母親はネズミ年生まれで猫が大の苦手でした。従って我が家は基本的に猫を飼わない家でした。しかし、どういういきさつか知りませんが、私が小学生の頃一度だけ飼ったことがあります。多分どっかから頼まれて仕方なくもらってきたのでしょう。その猫に何と言う名前を付けたかも憶えていませんが、私は結構可愛がっていました。猫にはいわゆる猫まんま(ご飯にみそ汁をかけたような餌)をあげてはいましたが、時々ネズミを捕ってきました。そういう時は大抵ネズミはトドメを刺されないで半殺しの状態で運ばれてきます。猫はいつも私達の目の前でいたぶって見せるのでした。わざとよそ見なんかしたりして、ネズミが逃げ出すのを待っています。隙を見てネズミが動き出すと、途端に襲いかかっていたぶり、観念してグッタリするとまた放り出して知らんぷり。そんなことを繰り返してさんざん遊んだあげく、バリバリと食べ始めるのでした。骨としっぽなどを残して結構器用に食べていました。
 この猫はネズミにはこのように強かったですが、猫の社会の中ではあんまり強い奴ではなかったらしく、喧嘩で負けてよく怪我をして来ました。前の家の猫は反対にすごく強い猫で、よく虐められていたようです。祖母がよく「あの猫はヨクナシ(うちの田舎の方言で、意地悪とかきかん気が強いという意味)だ」と言っていました。
 飼い始めた最初に猫のトイレを作って躾けなければいけないということで、ミカン箱(昔のミカン箱は板で出来ていました)に砂を詰めて台所の土間の所に置きました。猫は案外直ぐに憶えていつもここで用を足すようになりました。しばらく問題はありませんでしたが、そのうち誰かが「食事をする場所の近くにトイレがあるのは嫌だ」と言い出しました。確かにそうだということになり、協議の結果、母屋と作業場の屋根の掛かっている通路の下に置く事になりました。実はこれがとんでもない事になったのです。
屋根が掛かっているとはいえ、そこは屋外です。今思えば猫が割合にすんなりと最初のトイレを憶えた事には理由があったのです。プータを飼ってから知ったのですが、家の出入りを自由にしている猫は外の砂地のように土が柔らかくなっている所を掘ってウンコやオシッコをするのです。片手で丁寧に真っ直ぐ下に掘り込んで、縦穴を空けてからそこにしゃがみこんでゆっくりウンコをします。唯座っているだけのような、何をしているのかよく分からない恰好で用を済ますと今度はまた丁寧に土を戻して穴を埋めます。犬とは違ってとにかく仕事が丁寧です。
 座敷猫は外に砂地を探しに行けない訳ですから当然家の中に猫砂を用意しておけばそこにオシッコやウンコをするようになります。それでは何故出入り自由なうちの猫が、直ぐに家の中のトイレを憶えたのか? 実は、いつなんどき、隣りのいじめっ子猫に出くわすか分からないので外ではトイレが出来なかったようなのです。家の中迄はそいつは入って来ませんから安心してトイレができたのです。だから直ぐに憶えたのでした。そうとは知らず、猫のトイレを外に出したのが災いの始まりでした。同じミカン箱のトイレなのに、自分のオシッコの匂いが染み付いている砂なのに、家の外にあるばっかりにそこではもう二度と用が足せなくなってしまったのです。そしてどうなったのかというと、最初は我慢していたのでしょうが、とうとう我慢しきれなくなって家中のいたるところでオシッコとウンコをするようになったのです。これはもう最悪で、ウンコはまだいいのですが、オシッコで茶の間の畳はしみが付いてしまうし、座敷の天井板は茶色く染まって部屋中に匂いが漂っています。台所にトイレがあった時はそんなに匂わなかったのですが、天井板から匂ってくる匂いはとても臭かったです(※1)。 猫のオシッコというのは独特の臭みがあってたまったもんではありません。トイレを元に戻してももうダメでした。叱っても何をしても、猫に通じる訳がありません。トイレが無くなってパニクった猫を躾ける術はありませんでした。ましてや家族全員が猫を飼うのは初めてだったのです。

 結局うちではもう飼えないということになって、どこかに貰ってもらうことになりました。でも、大人になってからこの時のことを思い返してみると、どうにも腑に落ちない点があります。小学生だった私には他所の家に貰われていったという説明がされていましたが………どう考えてもおかしいですよね。家中にウンチやオシッコをする猫なんて貰ってくれる家なんてある訳がありません。何年か前、実家で酒を飲んでいる時にふとこの猫の事が話題になり、この疑問を言ったら、とうとう兄が白状しました。「誰もやらないから仕方なく俺がやった」と。どうやって殺したのかは言いませんでしたが、多分袋に大きな石と一緒に入れて川に沈めたのでしょう。このことは、姉も女だからということで知らされていなかったようです。大人と長男だけが知っている、家族の秘密だったのです。でも、私も何となく分かっていたような気がします。母が他所に貰われて行ったと私に言ったのを憶えていますが、どの辺の家なのか何と言う名前の人なのかとか全く追求した記憶がありません。問いつめてはいけないような気がしていたんだと思います。
 ペットを捨てる人が憎いとは思いますが、あんまり人のことは言えない感じがします。でも、考え方によるのでしょうが、捨てるのでは無く自分達で始末をするのは一寸だけマシなような………目を瞑らないで、痛みを分かち合うような感じがします。まあ、どっちも人の都合ですることには違いがありませんが。

 ところで、今のペット猫がネズミを全く捕らないかというと、そうでもありません。ちゃんと捕ってきます。猫のDNAが変わった訳ではありませんので狩りをする本能はしっかりと受け継がれています。ただし、食べはしません。プータも年に一回くらい小動物を掴まえて来ました。モグラの子供だったり、野ネズミだったりしましたが、スズメを捕ってきたこともあります。スズメなんて空を飛ぶものをどうやって掴まえたのか想像がつきませんが、人に訊くとやはり捕る猫はいるようです。そう言えば庭で身を屈めてジッとスズメが地面をついばんでいるのを見つめているプータを見た事があります。そこからどうやってスズメとの距離を縮めるのかと思うと不思議ですが、とにかく掴まえてきました。そして案の定スズメは生きたまま居間に置かれるのです。これは最悪で、片方の羽だけが折られているようで、床面をバタバタとあっちこっち動き回るのです。ネズミなんかと比べてスピードがあるのでプータにとっては追っかけ甲斐があってとても面白そうでしたが、こっちは大迷惑です。つかまえて庭に放り投げましたが、しばらくすると又掴まえて来て遊んでいます。最後は庭に穴を掘って埋めてやりました。
 ある冬の日、家内が買い物から帰ってくると居間にネズミ転がっていました。家内は直ぐに箒と塵取りで片付けましたが、プータはそれを不思議そうな顔をして見ていたそうです。その日は丁度家内の誕生日で、彼女が言うにはプータが誕生日プレゼントを呉れたのだそうです。年に一回くらいしか、獲物を捕らないのにその日に限って持って来たのだから絶対にそうだとと言います。キャーと悲鳴をあげながらそれを片付ける家内を見て「なんで喜ばないの?片付けちゃうの?」って顔をしたと言い張ります。偶然だとは思いますが、確かに不思議といえば不思議です。やっぱりプータは、懲らしめに猫に姿を変えられたどっかの国の王子なのかしら? もっとも、家内は誕生日プレゼントをしなくなってから久しい私へのあてつけで言っているのかも知れませんが………。

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    何か獲物を狙っているのでしょうか?
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     ダッシュ!
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    顔がこっちを向けばしっぽは向こうへ

※1 これは知り合いの大工さんに聞いたのですが、尿の匂いの主成分であるアンモニアは空気より比重が重いので下に流れるのだそうです。そう言えば昔実家にあったポッチャントイレは下にも窓がついていました。下から匂いを逃がす為だったのですね。因みにその大工さんによれば今の住宅のトイレの換気扇が上についているのは間違っているのだそうです。換気扇でわざわざ匂いを上に立ち上らせているのですから。彼の造る家はトイレの換気扇が下についています。家はこういう大工さんに建てて貰いたいものですよね。
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by mosaiquedodeca | 2009-03-18 17:00 | 猛描プータと愛犬クーコの話 | Comments(0)

モザイクの空間表現

 “モザイク”というと一般の方が一番最初にイメージするのはいわゆるテレビにかけるモザイクのことだと思います。精密でクリヤーな画像を、ある一定の大きさの正方形の色面に置き換えて、ぼんやりと見えるようにする加工のことを思い浮かべると思います。肖像をぼやかして個人のプライバシーを守る為だったり、猥褻な画像を隠すためだったりですが、この場合は見えにくくするという目的で作られています。この正方形の集合で作るモザイク画像は目を細めたり、離れて見たりするとなんとなく画像が分かるというところがミソで、全く見えないのではありません。この場合、私達の目に(脳にと言った方がより正確ですが)画像を結ぶ為に必要とされる要素は色彩のみです。明度と彩度と色相が適確であることが求められます。
 ローマやビザンチンのモザイクは勿論こんな単純なことだけでは出来ていません。正方形の集合で作るのはコンピューターでも出来ますが、こちらは人間にしか作ることは出来ないのです。自分のイメージする“物”と“空間”の為に、モザイクピースの“形”と“並べ方”をひとつひとつその都度判断して作らなければならないからです。
 
 前々回の桃の作品のところで少し話しましたが、モザイクのピースの並べ方と空間の関係の事をもう少し詳しく話そうと思います。今回はオリーブをモチーフにしたガラスモザイクの作品を制作しながら順を追って説明します。

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下絵には、2本の枝と2枚の葉っぱ、そしてオリーブの実一個が描いてあります。これらはお互いに重なりあっていません。従って、これらの5つの部分の前後関係は下絵の段階では特定されて居ません。ところが、背景の地の部分の作り方次第でこの5つの要素に前後関係を付けることが出来るのです。


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最初に図の部分である2本の枝と2枚の葉っぱ、そしてオリーブの実一個を作ります。この時点ではそれぞれの前後関係は2本の枝を除いて付いておりません。(中央の枝が優先して作られているので、左の枝は奥に向かって伸びているように見えます)


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             最初に右上の葉っぱを縁取ります。

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by mosaiquedodeca | 2009-03-13 17:12 | ガラスモザイクの制作 | Comments(0)
 モザイクハウスで飼っていた猫のプータはとっても頭の良い猫でした。犬のクーコは、道路が危ないという事をあんまり理解している風ではないのですが(ある事情があってトラックを見ると怒って追い掛けてしまいます。車輪に呑み込まれそうになる程接近するのでいつもヒヤヒヤします)、プータははっきり道路とその他の場所の違いを理解していました。いつも道の端っこを歩き、車通りの多い時間帯にはそもそも道路に出ません。道路を歩いているときでも、車が来たら脇の草むらに避難してじっとやり過ごしています。道路を横切る時には、伸び上がって遠く迄見渡し、車が来ないか確認してから渡るのです。小学生のように「右を見て、左を見て、もう一度右を確認して」やっと渡るという具合です。慎重なのか、臆病なのか……猫は耳が良いから車が来るかどうかは音だけで判る筈なのに。
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         玄関先で出掛けようかどうしようかと思案中

 今や日本中どこでもそうだと思いますが、田んぼに囲まれたこの辺りの道路では、よく動物の礫死体を目にします。リスのような動物(フェレットでしたっけ?)だったり、極まれに犬だったりタヌキだったりしますが、圧倒的に多いのはやはり猫です。プータを飼い始めた頃、車で走っている時に少しでもプータに似た猫の死骸を見るととても不安になりました。家に帰ってプータが居るかどうかを確かめるまで、いつもドキドキしました。プータの行動範囲を超えた地域で死骸を見ても、なにか事情があってそこまで来たのかもしれないと考えて、安心はできませんでした。死骸を目にした日に家に帰ったら ”プータが居ない” なんて事があったりすると不安でしょうが無くなります。バイクに乗って引き返して屍骸を確かめに行ったことも何度かありました。毛の色模様をじっくり見てプータで無い事を確認するまでは安心できなかったのです。慎重なプータが車に轢かれるという事は殆どあり得ないと知ってからも、プータだって猫だから、なにか緊急事態が起きてパニクって、道路に飛び出して車に轢かれないとも限らない、と思っていました。
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           ようやく意を決してお出掛けです

 ある時、家の前で急ブレーキの音がしたので外に出てみると、近所の奥さんが車を止めて青くなっていました。どうしたのかと訊いたら、猫が道路に飛び出してきて轢きそうになったというのです。間一髪轢かずに済んだらしいのですが、問題はなんで急に猫が飛び出したのかということです。飛び出した猫は近所のYさん家の猫だったらしいのですが、プータがその猫を追い掛けていたと言うのです。プータの方は道路の直前で止まったといいます。これは家内も何度か見た事があったらしく、 ”プータは道には車が来るって分かっていて、直前でピタッと止まるんだよね” って言っていました。(※)

 その頃は近所でしょっちゅう猫が車に轢かれていて、猫好きのYさん家には5〜6匹の猫が居たのですが、半分位が轢かれて死んじゃったと聞いていました。実は、プータは我が家でちゃんとご飯をあげているにも拘らず、時々Yさん家でもご飯を食べていました。Yさん家はお子さんが猫アレルギーなので猫は全員外飼いで(もっとも、そのお子さんが猫を拾ってくるのですが…)、庭で餌をやっていたのですが、プータはそこの猫達を押し退けて、いつも真っ先にご飯を食べているという事を聞いていました。プータはYさん家の猫達の中でも、当然ボスなのでした。
 なんでYさん家の猫の話をするのかというと、ふとある疑念が頭をよぎったからです。否、いくら何でもそんな事は無いと思うのですが。プータは確かに頭良いけれど…、まさか気に入らない猫がいたとしても、意図的にそんなこと出来る訳無いですよね。いくらプータでも………猫なんだから。

 プータは、ついそんな疑いを持ってしまう程賢い猫で、何でも解っているような感じのする猫でした。表情からして隙がなく、かといって荒んだ顔でも無く、肝が据わっていて何事にも動じる事の無い、誠に天晴れな猫でした。何だか自慢ばかりしているようですが、ホントにびっくりするような事が多々あったのです。もしかしたら、あんまり悪さをするので神様が懲らしめに猫に姿を変えてしまった、どっかの国の王子様かなんかじゃ無いだろうか?って気がする位でした。言葉も全て理解しているように感じました。たとえば、あんまりプータが可愛いので家内と二人でプータのことを褒めちぎっていると、いつも居心地悪そうにそっぽを向くのです。「そんなに面と向かって言われると照れるじゃないか」って顔をするのでした。…えっ、ジロジロ見られたら、何を言っているのか分からなくても、気まずい感じになるに決まってるって?…そうかなあ………でも、そうかも。
 そう言えば、昔勤めていた所でも猫好きな人が何人も居たのでよく猫談義をしたのですが、ついプータの頭の良さを自慢してしまって、こんな事を言われた事がありました。「うちのプータは頭がいいんだよ、道路を渡る時なんか」って言いかけたら横で聞いていた同僚のIさんが即座に遮って、ニヤニヤしながら『オグロさん家の猫はスゲーんだぜ!ボタンを押してから横断歩道を渡るんだぜ』って。
 まったくもう!、莫迦にしてるけど、プータはホントに賢かったんですよ。



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※ そうかと思うと真逆の行動を取る時もありました。車で出掛けて帰った時に家の前の道路の真ん中にプータが寝っ転がっていました。危ないのでゆっくり進んで退かせようとしたのですがジッとこちらを見て動かないのです。仕方ないから私が降りて抱きかかえました。何だったのでしょうか? 自分家の車と分かって止まってくれると確信していたのでしょうか。確かにその場所は見晴らしは良いけれど道路の曲がり角で、スピードを落とす場所なので、猫が居たらどの車も止まるとは思うのですが・・・。それにしてもあの悠然とした態度(太々しいとも云える態度)は何でしょうか? 完全に見切っているという感じでした。


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by mosaiquedodeca | 2009-03-06 08:21 | 猛描プータと愛犬クーコの話 | Comments(2)