ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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モザイクの貼付け

 モザイク教室の便りです。
 今日はS・Sさんが紙貼りをした作品の接着作業をしました。

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 基底材(合板)の上に2液性のエポキシ系接着剤(※1)をそれぞれ等量出します。エポキシ系接着剤はその凝固時間によって5分型とか30分型とか色々ありますが、あまり短いと調整作業が出来ませんので、今日は90分型を使います。また、色も何種類かありますが、作品が暗くならないようにするためクリヤータイプを使います。(ガラスが半透明なため、接着剤の色に影響されるからです。クリヤーなら基底剤の色が反映されます。)

b0143231_9361713.jpg 2液を良く練り混ぜ、全体に均等の厚さになるように平たくのばします。
b0143231_93785.jpg 均等に慣らす為には、櫛目の付いたヘラ(※2)を使います。ヘラ先がギザギザになっており、引っ張ると余分な接着剤はヘラの内側に残って先に運ばれ、櫛目の間に縞状に残る量が均等になるという仕組みです。ヘラの傾き、圧力を調整することで接着剤の厚みを調整出来ます。
 この作業をやりながらS・Sさん、「龍安寺の僧侶の気持ちが分かる気がするね」なんて言ってました。確かに白州の波紋模様みたいのが出来て面白いです。

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 接着剤を均等に慣らしたら、紙貼りしてある作品を貼付けます。紙を剥がす前に全体の位置調整をやります。手の平で押せば全体が動かせます。


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 位置調整が済んだら、水を含ませた刷毛で紙(※3)を湿らせます。すると紙が透けて作品の図柄が見えてきます。


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 水が充分染み込んだら爪を端っこに引っ掛けて紙を剥がして行きます。


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 ゆっくり紙を引っ張って剥がします。この作業で、気を付けなくてはいけないのは引っ張る角度です。上に持ち上げずに、後ろに出来るだけ水平に引いて行きます。まだ接着剤が固まっていませんので、ガラスピースが紙にくっ付いて来易いからです。「紙貼り」(6月8日)の項でご説明したように、小麦粉の糊が強すぎるとここで苦労することになります。


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 さあ、全体が見えて来ました。
 壁画や建築装飾の仕事の時などは、この瞬間が一番のハイライトです。(その場合は接着剤が固まってから剥がしますが)紙で隠れていた画面が姿を現す時は思わず「オー!」と声が出ます。自分でなく、それが施主の方の声だったりすると、とてもうれしい至福の時間になります。そんな時は、この仕事はお客様に感動して頂いたり、喜んで貰えたりするいい仕事だなあとつくづく思います。


b0143231_942524.jpg 接着材が固まる迄には十分時間がありますので、紙から剥がれ落ちていたピースをうめたり、ピースの位置調整をしたりします。


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 完成したら接着剤が固まるまで水平にしてして置きます。斜面に置くと硬化するまでにゆっくりとピースが動いてしまうからです。










※ 1 2液性のエポキシ系接着剤はA剤(主剤)とB剤(硬化剤)のチューブに分かれています。混ぜない限り硬化することはありません。注意することは、ほぼ等量にすることです。あまり片寄りがあると硬化しない場合があります。セメダイン社やコニシボンド社などから出ていて、大体どこのホームセンターでも売られています。

※ 2 ヘラは軟質のプラスチック製の物を使います。軟質プラスチックは使った後にヘラに残った接着剤を、硬化後、グリグリ動かせば奇麗に剥がす事が出来るからです。櫛目はカッターを使って自分で切って作ります。(売っていれば良いですが) 金属製や硬質プラスチック製のヘラやコテは一回使ったら、よく拭き取らないと次に使えなくなるので、あまり使い勝手が良くありません。

※ 3 紙は障子紙を使いますが、合成繊維の配合されている物をつかいます。パルプが100%近いものは弱過ぎて使えません。
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by mosaiquedodeca | 2008-06-30 10:06 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)
 ガラスモザイク粟生野教室展のDMの原稿が出来ました。
 展覧会は、大網白里町の下ヶ傍示(サゲホウジと読みます)という所にある「ギャラリー古屋敷」という画廊で行います。千葉方面から大網街道を下って来て、大網駅のあたりを更に海の方に7km程行き、南白亀川(ナバキガワと読みます)を渡ってすぐの信号を右折した右側にあります。駐車場の奥の、彫刻と四季の草花で彩られた庭を横切った先に入り口があります。大網駅から本数は少ないですがバスも出ています。サンライズ九十九里行き、もしくは白子車庫行きに乗って「下ヶ傍示」で降りると、上記の信号があります。


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 「ギャラリー古屋敷」は200年程前の江戸時代に建てられた古い農家を、持ち主の吉田さん(彫刻家でもある)自らが手を入れ、土間部分ををギャラリースペースに改装された画廊です。ケヤキか何かのものすごく太い大黒柱と、長い間囲炉裏の煙に燻されて煤で黒くなっ大きい梁と古い土壁の見える、とてもクラシックな空間です。骨太でおおらかなオーナーのお人柄そのものの雰囲気を持った心安まる場所で、2年程前に始めて見た時から展覧会をやりたいと思っていました。屋敷の裏には杉林があり、回り全て緑に囲まれた静かな環境です。真夏の暑い日でも涼しい風の通る心地よい空間なので、ここでお茶を飲んでゆっくりするだけでも良いと思います。お近くの方、よろしかったら是非お越し下さい。
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by mosaiquedodeca | 2008-06-28 21:29 | ガラスモザイク教室 | Comments(2)

表札


b0143231_1218772.jpg 今日は先月設置した I さん宅の表札の写真を撮って来ました。 I さんはつい最近お宅をリフォームされました。一階の間取りを大きく変えてさらに少し増築した都合上、家の外壁も張り替えられたのです。そのリニューアルしたグレーのガリバリウム鋼板のモダンな感じのお家に表札が欲しいという事で相談されました。モダンで都会的な雰囲気になったのは良かったのですが、シンプル過ぎて玄関ドアの周辺が少し殺風景になってしまいました。そこで、インターフォンと玄関灯の間にガラスモザイクで表札を作る事にしました。
 モダンな家の外観を見て、名前の文字は漢字やひらがなでは無く、アルファベットが似合うだろうと考えました。アルファベットならほとんど直線だけで構成できて、半ば記号的に表現することが可能なのでモダンな印象になるからです。しかしそれだけではあまりに素っ気無いので、何か曲線的な要素との組み合わせにしたいと思っていました。そしたら、 I さんが私のガラスモザイクハウスのオリーブのモザイクを見て、「これ、とっても素敵でいいわ!」とおっしゃるので、安易でしたがオリーブの模様と組み合わせることにしました。
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           ガラスモザイクハウスのオリ−ブ
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           下絵


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           制作中(目地無し)

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           完成(目地が入った後)

 左下から右上になびく小枝に葉っぱが何枚か付いていて、オリーブの実が隙間に見える図柄にし、その下に名前が入るという構図にしました。文字はCentury Gothicという書体の太字を元にし、オリーブの枝の動きと合わせる為に斜体にしました。ここで、ひとつアイデアが浮かびました。名前の中に I という文字が2つあるのですが、これを小文字にして、点の部分をオリーブの実とダブらせることにしたのです。 I さんに下絵を見せたら即OKが出ました。


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 前回も書きましたが、モザイクで文字を作るのは結構面白いものです。アップにすると何だか大雑把に見えていい加減に作っているように見えますが、少し離れてみるとちゃんと読めてバランスが良いものが出来ると快感です。
 今回の場合も、Century Gothicの書体を殆ど狂い無くぴっちりと作ることは可能です。道具を使えばガラスピースの隙間を潰すことやカーブをキレイに出すことは出来ると思います。しかしそれでは印刷した文字と変わりません。キレイ過ぎて味気ないものになります。一つ一つの文字の隙間のバランス(文字組み)なども印刷用に作った書体には限界があって、カリグラフィーのように手書きの場合は人の感覚で調整出来るのに、調節が利かないのです。モザイクの場合はその辺が自在にできます。今回も作る段階で色々工夫しました。
 Zの文字の上辺が縦線に接合している根元の部分を少し下に沈めることによって、反対側の左端が跳ねた感じにしました。それに合わせるためUの文字は上を少し開き気味にし、Mの文字は下をを開き気味にしました。そして、 I の文字は僅かですが太めにして、さらに人に気付かれない程僅かですが上下の端を開くように太くしてあります。このことによって文字全体に動きが出来て、軽くステップダンスでもしているように見せることが出来ました。文字のバランスを取るためにした事は、Zの文字の下辺の線を少し持ち上げて逆にUの文字は下に少し突き出させた事です(これはCentury Gothicの書体も同じですが)。また、Mの文字の右2本の縦線は細くして、隙間も縮めています。そして、頭の I は音にすると1文字で1音ですが、尻尾の I はMとくっ付いて1音なので、 I とZの間は少し開けてMと I の間は詰めました。
 今回一番迷ったのが線の優先順位です。 I とUは折れ目の無い1本の線で出来ているので大丈夫ですが、ZとMはピース割りをする時、何処を先に作り、何処を後でくっ付けるかが問題になります。Zは縦線を通してから上辺と下辺を羽のようにくっ付けることにしました。Mに関しては、筆順の早い方から先に作ることにしました。最初の縦線が優先して、次に真ん中、そして右の線が最後に来る順番にしました。ZとMではやり方を変えたのです。つまりこういう事です。Zも筆順の早い方から作ったとしたら、上辺の線が横に一本通ってから縦線になった筈です。でも迷ったあげく、文字全体の縦線のリズムを優先させたのです。


b0143231_12274433.jpg ところで、今回文字を作ったガラスピースは少し贅沢な使い方をしました。金箔を挟んだカラスなのですが、一個 ?百円もする品物で(イタリアのビサッツャ社の製品で、同様の物は12〜3世紀、中世ビザンチン時代からある歴史の古い材料です)、本来なら金箔が見える面を表にして使うものですが、わざと裏にして透明なブルーグリーンの層の奥でギラリと光る金箔を見せています。金色をしていないので、金だとは気付かれませんが、美しいので全くOKです。


PS オリジナルのガラスモザイクの表札のご注文をお受けします。興味のある方はコメントをお書きください。(連絡先などを書かれる場合は非公開でお送り下い)
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by mosaiquedodeca | 2008-06-25 13:05 | ガラスモザイクの制作 | Comments(0)

目地入れ

昨日はガラスモザイク教室の日でした。午後から結構降りましたね。最近は教室の日はいつも雨降りのような気がします。

08年6月22日
 今日は基底材に貼付けた作品の目地入れです。目地は作品を活かしもすれば殺しもします。
 ガラスは素材としてはかなり主張が強い素材です。石と違って人工的に作るものなので、自然界には滅多に無い強い色彩やいろんな輝きをするものがあり、良く言えば華やか、別の言い方をすれば派手な素材です。派手なものは気を付けないと直ぐに下品になります。そこで、目地の役割はとても重要です。目地に無彩色の色が入る事によって色が落ち着き、作品に堅牢な感じが出ます(実際にも剥離を防ぎ、丈夫になります)。
 目地は基本的には無彩色のものを使います。色付きの目地も作ろうと思えば出来なくもありません。目地材に顔料(※)を混ぜれば色んな色が作れますが、あまりお薦めできません。何度かやりましたが、下品になってうまくいった試しが無いのです。普通に売っている無彩色の目地を使う事をお薦めします。ただし、目地の明るさには気をつけなくてはなりません。私はグレイの目地材(一番安い)と白い目地材を買って来て、1対1、2対5、1対2、1対3、1対5、1対6という風に混ぜ、いくつかの段階の明るさを作って用意しています。そして個々の作品に合わせて、明るさを選ぶ訳です。
 目地はガラスの明るさと合ったところが消えて見えます。そしてガラスより明るければ明るいほど、又は暗ければ暗いほど目立ちます。どの部分の目地を消し、どこを目立たせたいかによって明るさを選びます。ガラスピースの並び方が表現のポイントになっている、つまり見せ所があればそこを少し目立つような明るさにします。そういう特定の場所が無い場合、私は使っているガラスの一番明るい色と暗い色の中間より少し明るめの色を選びます。それは、全体的に目地を少しだけ目立つようにしたいからです。
 前にピース割りはモザイクの命だと書きましたが、こういう言い方も出来ます。「目地はモザイクの命、目地ですべてを表現する」。ピース割りをするということは、実は目地を作ることなのです。目地の通し方によって、物の形、物の前後関係、物の動きなどすべてが表現出来ます。(そのうち具体的な例を出してご説明します)


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 選んだ目地材を水で練ってペースト状にします。それを目地ゴテ(左官道具)でガラスピースの隙間に擦り込んで行きます。前後左右、斜めといろんな方向から擦り込んで隙間を完全に埋めます。
 目地がまんべんなく埋まったら、ガラスの表面に付いている余分な目地材ををコテでこすり取ります。後は目地の硬化の程度と乾燥具合に合わせて、順次、平らなスポンジ、折り畳んでバレンのようにした布でこすって表面をキレイにします。
写真の目地は濡れているので明度が落ちていますが、乾くとずっと明るくなります。




















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 Y・Tさんは新しい作品に取り掛かっています。ご自宅の表札を作っています。モザイクで文字を作るのは結構面白いです。ガラスピースで作れる範囲という制約がある分、工夫のし甲斐があって結構良いものが出来ます。新しい書体を発明する訳ですから、タイポグラファーですね。
 私もいつか、アルファベット26文字と算用数字をすべてモザイクで作って、意匠登録でもしてみようかしら? パソコンのフォントリストに載っていたらうれしいだろうな、なんて妄想が膨らんでしまいます。


※ 顔料とは土、石の粉、金属の粉など無機質の粉で出来た粉末の絵の具(絵の具の元)です。いわゆる染料とは違い、セメントのアルカリに犯されたり、紫外線で変色したりということが比較的少ない材料です。
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by mosaiquedodeca | 2008-06-23 10:41 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)

アーチストと作家

 友人のトンボ玉を作っている人に「アーチストと作家の違いって何だと思う?」ということを聞かれて、その人がどういういきさつ、あるいはつもりで質問したのかは分かりませんが、自分なりに考えたことがありますので書く事にします。
 アーチストという言葉から一番に思い起こすことはミュージシャンです。ヒッキーとかあゆとかテレビでそういう人達のことをアーチストと言ってる場面を何度も見るからです。絵画、工芸、彫刻など造形芸術を考える時、僕はよく音楽と比較して考えます。音楽は独りで出来ないことが多く、役割分担がはっきりしているからです。歌手や演奏家のことを、アーチストと呼ぶ場合があるようですが、作詞、作曲などをやる人は、どう呼ぶんでしょうか? アーチストって言うんでしょうか? 僕は彼らのことはクリエーターと呼んだほうがしっくりいくような気がします。作詞、作曲をやる人は音楽の大元(構造、設計)を作る人達なので創造者という意味で、クリエーターと呼んだ方がいいのではないかと思います。「作家」という言葉は作者とか原作者という言葉に通じるような気がしますから、どちらかと云うとクリエーターに近いように思います。それに対して、楽器を演奏したり歌を歌ったりする人達は、作品を具体的なカタチにする人達、設計図から立派な道路や公園や建物を造る人達、台本のセリフを元に舞台で感動的なドラマを演ずる人達、レシピを元に美味しい料理を作ってくれる人達、つまり作品に血を通わせてくれる人達です。その非凡な技量と感性で私達を楽しませ、感動させ、幸せにしてくれる人達です。そういう人達はアーチストと呼んでいいのではないかと思います。
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    蜘蛛はクリエーターorアーチスト? 蜘蛛の巣は誰が設計してるの?

 作家とアーチストの違いというのはおおむねこんなところのような気がしますが、実際には分業がはっきりしない分野の芸術が多く、殆どの場合クリエーターとアーチストが混在しているというのが実情ではないでしょうか。建築などの場合は、設計する人と建物を建てる人に分かれていますが、音楽の場合、ヒッキーのようにクリエーターでありアーチストでもある人も多い訳です。いわゆるシンガーソングライターですね。
 ちなみに僕は、壁画、建築装飾(ガラスモザイクが主です)をやっていますが、原案,原画を考えている時はクリエーターの気持ちですが、制作中はアーチスト、そして施工の時は左官屋やタイル屋(とても腕の悪い)になります。建築関係の仕事の時は、自分で自分のことを壁画界のシンガーソングライターだと言っています。
 
 追伸 
 建築の場合、設計と建設が分かれていると書きましたが、僕の友人の大工さんは、日本一の腕前を持つ(僕の知る限り…鉋削りは間違いなく日本一)人なのですが、彼は設計も自分でやるので、建築界のシンガーソングライターと言えると思います。もっとも、昔の棟梁と言われた人は皆そうだったらしいですが。
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by mosaiquedodeca | 2008-06-17 07:55 | Comments(0)

こどもの国の体験講座

b0143231_13495368.jpgb0143231_13501350.jpgb0143231_13502620.jpg 千葉県の市原市は山倉という所に「千葉こどもの国:キッズダム」という施設があります。そこには山倉ダムのダム湖があり、「こどもの国」はこの湖の中に突き出した形の敷地にあります。子供のためのいろんな遊具や施設があるのですが、広い敷地は奇麗な芝生に覆われ、桜並木があったり、ラベンダーやカモミールが咲いていたり、晴れた日には何もしなくてもぶらぶら歩いているだけでとっても気持ちのいい場所です。ましてや、木陰で弁当など広げたらさぞかし楽しいだろうなと思います。
 さて、私は昨日の日曜日、一日ここに居ました。遊びに行ったのでは無く、仕事(?)だったのです。月に2〜3回ここにあるモノヅクリングビレッジという施設の中で、お子さん達にガラスモザイクの体験講座を開いています。
 専用のペンチ(サイドビッター)を使って四角いガラスチップを色んな形に切る、切り方を教え、用意した40色位のガラスチップを使って小さいフォトフレームの中に、自由に作品を作ってもらっています。こども達は30分から1時間位の間、夢中になってガラスを切ったり並べたりしています。小さいお子さんの場合は、保護者の方がお手伝いをして下さるので、半分位の作品は親子や、孫子の共同作品になっています。その光景を見ているといつも幸せな気持ちになります。とても良い家族のコミュニケーションの場になっているからです。どちらかというとお母さんは叱咤激励型でお父さんは下僕となってお手伝いという感じです。それがとても微笑ましく、顔にこそ出しませんが、心のなかではニンマリです。こちらは様子を見ていて、どうしたら良いかわからなくなっている時だけ手を差し伸べるという感じです。昨日も沢山素晴らしい作品が出来上がりました。ここに一部ご紹介します。
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by mosaiquedodeca | 2008-06-16 13:55 | 体験教室・こどもの国他 | Comments(0)
ガラスモザイク教室の便りです。
今日はK・Sさんが新しい作品に取り掛かるために下絵を持って来られました。次の作品は八つ手の葉っぱです。下絵を見てガラスチップの割り当ての計画を練ります。葉脈をガラスチップで作るか、目地で表現するか? 葉っぱの根元から、切れ込みのところ迄どのようにガラスチップを割り振ったら良いか? など、アドバイスを求められました。
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モザイクのピース割りは、いつも同じようにすれば良い訳ではありません。原画の意図やピースの細かさによってやり方は全く異なります。毎回新しい方法を考えなくてはなりません。今回の葉っぱのように、葉脈や細胞分裂の仕方が見てとれるような構造のはっきりしているものは、その構造にうまく合わせてピース割りを考えます。

ピース割りはモザイクの命です。色が合っているだけではモザイクになりません。表現したい対象の形、構造を表現できていなくてはなりません。絵の具と筆のように線を引いたり、混色して自由に色を作れたり、ましてや細かく描き込むことなど出来ません。ピースの色や細かさには限界があり、対象をある程度大まかに捉えて、時には表現の「置き換え」をする必要があります。すべてピースの形で表現しなくてはなりませんので、どのピースもおろそかに形を決められません。「形を作るのが面倒だから大きさの合っているピースで埋めちゃえ!」などと考えて置いたところは後で必ず後悔します。
b0143231_18403886.jpgb0143231_18405385.jpg 画面の大きさに合わせて製作用のプレート(※)を作り、下絵を貼付けたら、ガラスチップの色を選びます.
葉っぱの色を決めたら背景の色選びですが、ここでK・Sさん、額を持ち出しました。額の色に合わせて背景の色を選びます。

突然「ガシャーン!」という音が聞こえました。何事かと、音の方を見ると、S・Sさんが紙貼りをしてあった作品を落としてしまったのです……大変な事に!
前にも書きましたが、紙貼りは後の作業を考慮して糊をあまり濃くはしません。水をつけたらサッと溶けるくらいの薄さにしておきます。あまり強い糊ではないのでモザイクピースが20〜30個、いや30〜40個剥がれてしまいました。せっかく作ったのに………。でも、気を取り直して補修しましょう。補修には結構手間が掛かりそうですがここは覚悟を決めてじっくりやるしかありません。私は作ったものを糊貼りする前に全部床に落としてしまったことがあります。その時は、ピースが大きく単純な作品だったのでなんとか元に戻そうとしたのですが、訳が分からなくなり結局作り直しました。
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では丁度良い機会なので、こういう時の直し方を説明します。
テーブルの上に紙貼りした作品の紙を下に、ガラスピースの裏が表に出るように置きます。紙貼りをしたときより強めの糊を用意して、一個づつ剥がれたピースの表に糊をくっ付けて元のところに置いて行きます。どのピースが何処に嵌るのか、ピースの裏返しの形を良く見て合うものを捜し出して置いて行きます。
これはちょっとしたパズルです。でもどうしても合わないところが出てきます。そういう時は面倒がらずにその部分だけ作り直しましょう。もともと、剥がれた部分は糊の薄さだけのせいではなく、ピースの間隔が詰み過ぎていてぶつかってギスギスしていた所なのです。ちょっとした動きで剥がれてしまうような状態だった筈ですから、ピースを少し小さくしてやる必要があったのです。
さて、パズルが完成したら後は糊が乾くまでそっとしておきましょう。
S・Sさんは、結局時間内には出来ずに持ち帰って家でやる事になりました。
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※ 製作用のプレートは、モザイクを作って実際に貼付ける物(もしくは場所:基底材と言います)ではなく仮の土台です。基底材(この場合は額)の寸法より2〜3mm小さい枠を作ってその内側にモザイクを作ります。枠の中に下絵を描き(又は、下絵を描いたものを貼付けてもよいです)、それに“あるもの”を塗ります。これは企業秘密なのですが、製作中にうっかりプレートにぶつかったりした時にガラスピースが動いてしまわないようにするものです。  
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企業秘密というのは冗談で、 “あるもの”とはペーパーセメントです。デザイン関係の人なら知っていると思いますが、塗って乾かすと弱い接着力のある透明なゴムのようになります。要は、貼って剥がせる糊ということです。唯、ペーパーセメントの塗る量の調整が非常に難しく、多すぎるとガラスピースが引っ付いて剥がれにくくなって、紙貼りをした後、剥がす時に紙にくっ付いて来てくれません。少なすぎるとガラスピースが滑ってしまいます。誰か、もっと良いものを知らないでしょうか?
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by mosaiquedodeca | 2008-06-14 15:41 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)
タンポポの種が渦巻状に並んでおり、しかも右巻きと左巻きが重複しているということを前に書きました。そして、その左右の数が13対21とか21対34になっていたというところ迄書きました。この数字ですが、実はこれはフィボナッチ数列という数列の一部なのです。フィボナッチ数列というのは、次のようなものです。
1・1・2・3・5・8・13・21・34・55・89・144・233………と無限に続いて行く数列ですが、お分かりでしょうか?隣り合った二つの数の合計がその右隣に置かれています。その数と一つ前の数を足して、その右隣に置くということを無限に繰り返して行くのです。
この数列は無限なのですが、何に向かっているのかというと、数が増えれば増える程、隣り合った数字の比率が黄金比率と呼ばれる比率に近づきます。
黄金比についてはここではとても説明しきれませんので興味のある方は御自分で調べてください。数式にすると2分の(√5−1)で、近似値は0,6180339………といったことだけ記すに停めます。
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さて、このような渦巻は植物の形を観察すると沢山見つけることができます。ヒマワリの真ん中の黒い部分、つまり種(種になる前は花)も同様です。大きなものになると渦巻の列の数も増えてくるようで、34対55のものを見たことがあります(数えるのは大変でしたが)。キク科の花は殆ど渦巻いていて、やはりフィボナッチ数列のどこかにあてはまります。他には松ぼっくりの傘をお尻の方から見ると渦巻いていたり(5対8か8対13でした)、大根の葉っぱを根元近くで切って真上から見た切り口が渦巻いていたり(やはり5対8か8対13でした)、結構見つけることが出来ます。意外なところではカリフラワーがそうです。とても分かり辛いのですが、あの脳みそのような凸凹が良く見ると実はブロックに分かれていて中心の小さなブロックから外側にだんだん大きくなって渦巻になっています。更にその外側の大きなブロックの中を良く見るとそこにも同じ構造の渦が………暇な人はじっくり眺めてみてください。
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by mosaiquedodeca | 2008-06-13 08:36 | 植物のかたち | Comments(0)

spiral 1

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先日、綿毛について書きましたが、その続きです。
犬の散歩の途中で見つけた綿毛のある植物。思わず綿毛を指でむしり取ってしまったのですが、つまんだ綿毛をひっくり返してみたら、渦巻状に並んでいたところまでは書きました。実は、この渦巻にはとっても不思議なことが隠されています。それについては同じく綿毛で種を飛ばす、綿毛の代表とも言うべきタンポポで説明します。
タンポポの綿毛は根元にかなり大きな種のカプセルが付いています。これを風に飛ばすと種が抜けた後の芯みたいなものが残ります。これは言わば種のカプセルの土台です。これを見ると、種がどんな並び方をしていたかがわかります。
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土台の中心辺りから外側に向けて何本もの曲線が見えます。ゴルフボールの凹みのような部分に種が付いていたことが分かりますが、その縁というか土手のようになっているところが繋がって曲線を描き、それが中心部から何本も渦巻状に外に伸びてます。この渦巻は良く見ると左巻きと右巻きが混在しています。これをそれぞれ抜き出して白い線でなぞってみます。すると右巻きが13本、左巻きが21本になりました。
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同じ事を前々回の記事の ”指でつまんだ綿毛” にもやってみました。こちらは右巻きが21本、左巻きが34本になりました
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実は、右巻きと左巻きの列の数が問題なのです。13対21、21対34、これは意味の無い数字ではありません。とても神秘的な数字なのですが、それはまたいつか。
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by mosaiquedodeca | 2008-06-12 08:27 | 植物のかたち | Comments(0)

カニの足は動いてる?

ガラスモザイク教室のK・Sさんが「日本の意匠」という本の中から刀の鍔のデザインを元に蟹をシルエットで作っています。教室の時間だけでは飽き足らず、時々宿題として持ち帰り自宅で作業を進めておられるのですが、今回持って来られた宿題を見たら、ちょっと問題が……。カニそのものは良く出来たのですが、その回りの作り方があまりよくありませんでした。
モザイクの基本は地と図の両方の形を同じ位の大きさのピースで縁取りをすることなのです。この場合カニ本体(図)の方は良いのですが、背景(地)の白い部分が縁取りされていなかったのです。胴体の部分の回りは縁取ってあったのですが足の回りは適当に色んな形のピースで埋めてあっただけでした。そこでやり直すようにアドバイスしました。
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写真は直している途中です。この段階で見ると、縁取りの意味がとても分かり易いです。どうして縁取らなければならないのかがわかる事例に成りましたのでご確認ください。
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縁取りをし直した右足(写真・上)の方は足が自由に動きそうに見えますが、まだ直していない左足(写真・下)は白い石の間に挟まって身動き出来ないように見えます。
つまり、こういう事です。右足の背景の中の白い縁取りは同じ大きさのピースが並べてあるため足を取り囲む線に見えるのです。その線は足が動くと一緒にくっ付いて動くように感じます。ではこの白い線はその回りの白い石に埋まって身動きが出来ないかというと、そうは見えません。何故なら、白い縁取り自体はその回りの白い部分と同じ色なので、同化して溶け込んでいるので挟まっているとは感じないのです。左足とは違うのです。
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こちらは全部直し終わったところです。なんだかカニが動き回っているように見えます。死んだカニが生き還りました。
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by mosaiquedodeca | 2008-06-11 11:41 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)