ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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カテゴリ:ガラスモザイク教室( 35 )

粟生野教室生徒作品

 最近ずっとユーキの事ばかり書いていますが、元々このブログはガラスモザイクについて書き始めたものです。関係ない事ばっかりで「何が《ガラスモザイク通信》なんだよ」って言われそうですので、今回は自宅でやっているガラスモザイク教室の皆さんの作品をご紹介します。

 M・Sさんの作品から。彼女は自宅でも精力的に作品を作られていて、もの凄いスピードで量産されています。元々美術系の方なので飲み込みも早く、スイスイと仕事を進めています。

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           アケビのつる。色彩感が良いですね

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野菜三部作 大根は私の作品のコピーですが、玉葱&長葱はその応用編です 私も長葱を作ろうかと考えています、逆輸入ということになります

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これも私のお寿司の作品を参考に作られました 大トロ、しめ鯖、青魚(ハマチ?サバ?なんだか分からないけど美味しそうな光りものですね)そしてイクラの軍艦巻き こういう盛り合わせも作ってみたいですね お互いにパクリっこになりそうです:でも全然違う作品が出来上がるので将来贋作騒ぎになる事なんてありえないですね

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画面が小さかったのでしっぽの部分だけの作品になりました しかし部分だけですけど、鰹の感じが良く出ています 腹の線が鮪ではなく鰹に見せ、ハイライトの白いガラスピースがギラッと光った鰹の脇腹を表現しています 脂が乗って旨そうです、ハイ

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   クリスマスが近づいたらディズニーランドのキャラクターもこんな風に

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象(牙が長いのでマンモス?)をうまく円の中に配置してますね 楽しい作品です

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オリーブの枝越しに見る夕暮れの景色 家と糸杉?とサイロ?ですかね 牧歌的な情景ですね

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これはまた幻想的な作品 月の「ウサギの餅つき」を見ている2兎のウサギ  餅つきウサギはお尻を突き出し、なんとも可愛いです 頭の後ろの耳がバラけていて運動感があります 見ているウサギも1兎が連れ合いの方を向いて何やら会話しています なんでこんなに楽しそうな絵が描けるんでしょう

 次は水に絡んだ作品。液体の表現を見て下さい。

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コップの水 ストローがついているのでジュースか何かのようです 色からすると青汁ですかね

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金魚鉢 鉢のハイライトを大胆に表現しています この作品を見たときマチスの金魚の絵を思い出しました

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この絵を画集で初めて見た時驚きました 平面的に色を塗り分けているだけなのに、立体感、奥行きが感じられて唸ってしまいました(※)

 M・Sさんは他にもいっぱい作品(写真撮ってない)があります。またそのうちアップします。 今回はM・Sさんの作品だけでいっぱいになってしまったので他の方々の作品は次回ご紹介します。


※ マチスの不思議な空間の表現には教えられる事が数多くあり、それらを考え、研究する事で私の絵画に対する見方が変わりました。そのことによって空間表現に関する考え方が確立したといっても過言ではありません。













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by mosaiquedodeca | 2016-03-10 12:47 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)

久々に、NHK柏教室の近況

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  花の蜜を吸うハチドリ。NHK柏教室の生徒さんの作品です。ハチ角形の作品です

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      八角形の額に入ります



 私が(ガラス)モザイクを学んだのはフランスですが、フランスには “モザイキスト” という職人が存在します。私が入学した国立高等装飾美術学校の絵画科の教授のジャック・デピエール(jaques despierre)さんは、我々学生にモザイクのピースの割り方、並べ方など基本的な事を教えてくれましたが、実際に彼の原画で作られた壁画の作品は職人が作っていました。デピエール教授の作品の制作現場は見た事ありませんが、ガラスモザイク職人の仕事は見た事があります。7年くらいの留学から帰国して、8年後に初めてヨーロッパに旅行(それまでお金がなくて行けなかった)した時です。結婚して何年か経った後、遅まきの新婚旅行とも言うべき旅行でした。南フランスのビオットという町のフェルナン・レジェの美術館を訪れたら、体格の良いおばさんが15メートルくらいの高さの外壁に大きなガラスモザイク(レジェの作品が原画の)を制作していました。地上から10mくらいの所に吊るされたゴンドラに乗ってガラス片を割って一個一個貼付けていました。下から声を掛けて「どれくらい前から取り掛かっているんですか?」と訊いたら「大体2ヶ月位前からだよ」と答えてくれました。「貴女独りで作っているのですか?」、「そうだよ」「・・・」。壁一面のモザイクの三分の二くらいがもう出来上がっていましたから、随分と仕事が速いなと驚きました。原画にはガラスのピースの形、並べ方等は、勿論描かれていません。それは職人の領域の仕事です。職人は、原画を見て形や空間の関係等を把握して、下絵のラインに沿って作っていきます。従って、線が描ければ後は自動的に作っていけるので、一旦取り掛かったら速いのです。モザイク(いわゆる「ローマンモザイク」)の場合、作り方は決まっているので、数百平方メートルの作品も3〜4ヶ月で仕上がってしまう訳ですね。

 日本ではモザイクの職人は同時に作家でもある訳で、「モザイキスト」とう職業は成立していないようです。原画を描く人が同時にモザイクの制作を行います(アルバイトを使う事はありますが)。私はそういう状況を称して、自分の事を「ガラスモザイク界の《シンガーソングライター》だ」なんて言って悦に入っていますが、それは日本では仕事がないので、 “作るだけの専門の人” が存在しえないという事でもあります。また同時に、《モザイクのピースの並べ方による絵画空間の作り方=ローマンモザイクの作り方》が確立(職人なら誰もが習得する技術として)していないという事でもあります。フランスでは、数は少ないと思いますが、左官職人あるいはタイル職人のように、専門のモザイク職人がいるようなのです。かつての浮世絵の、絵師、彫師、刷り師のように、ガラスモザイク壁画も分業が出来ている訳ですね。

 ガラスモザイクを学びに来て下さる生徒さん達は最初は課題制作を行いますが、直ぐに自作の絵を原画に作り始められます。絵が好きで、展覧会なども頻繁に見に行かれる、美術に詳しい方が多いです。中には私の絵の教室に通っておられて、後にガラスモザイクも始められたという方もいらっしゃいます。ガラスモザイクはどちらかと言うと、「工芸」では無く「絵画」の一分野と言えるのかも知れません。そんな訳で教室の生徒さん達もまた、ほとんどが《シンガーソングライター》なのです。

ハチドリの作者Yさんの他の作品を紹介します。

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 次は同じ柏教室で同時期に始められたWさんの作品を紹介します。

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      口から泡ぶくが出ています 少しカラフルな鱗が美しい

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     赤いポピー

 Wさんは毎年この時期になると年賀状の為に作品を作られます。まだ途中ですがご紹介します。

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   なんともやさしい表情の羊ですね・・出来上がりが楽しみです



 次は別の場所で私の水彩画の教室に通っていらして、ガラスモザイクにも興味を持たれて、始められたお二人の作品です。HさんとYMさん。

 Hさんの作品から

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           3本の木

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        ヨット2艘 海の上には入道雲が

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      白川郷の冬景色でしょうか? 夜空に星がまたたいています


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   こちらの3枚の葉っぱは下絵からきちんと描いてらっしゃいます

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         春に作られた櫻の作品

 HさんとYMさんはとっても仲が良く、お二人のまわりでは笑い声が絶えません。相談しながら同じテーマの作品を同時に作られるくらい仲が良いのです。

次はYMさんの櫻の作品。

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     同じ櫻でもHさんと違って花びらではなく木を見上げたところ

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これもHさんとYMさんとで相談して同じテーマで作られた作品です(どちらがどちらの方の作品かは失念)

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こちらも同じテーマで作られた、モンドリアンの絵の一部を作品にしたもの(もう一方は写真を撮りませんでした)

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    かわいいクリスマスツリーの小品の連作はYMさんの作品

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YMさんが作られた、私の作品の模写です  ピース割が正確で、並べ方もローマンモザイクの作り方に則って完璧に出来ています 素晴らしいです


 ところで、ガラスモザイクに於ける《シンガーソングライター》とはどういうことでしょう。生徒さんの中には、絵は苦手で下絵を私に頼まれる方もいらっしゃいます。この場合は作詞作曲を私がやってその方が歌を歌う(もしくは演奏する)ということになりますね。また、資料を持ってこられて製作用の下絵に直して欲しいという方の時は、私が編曲をして差し上げることになるのでしょうか。画家の作品を原画にして作られる時は「カバー曲」ということですね(模写には当たらないと思います)・・・なんて、くだらない事を考えてみました。
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by mosaiquedodeca | 2014-10-31 10:41 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)
 モザイク画と印象派の絵画には似たところがあります。点描画の“点”をモザイクピースに置き換えることができればモザイクの作品になります。とは言っても、絵筆のタッチをそのまま石やガラスのピースに置き換えるのは大変です。実際には何らかの省略をしないと中々うまくは行きません。細かいタッチを如何に少ないピースで表すかという工夫が必要となります。

 NHKカルチャーの柏教室の生徒さんがシスレーの「ヴィルヌーヴ・ラ・ガランヌの橋」という作品をモザイク画にしました。1年くらいじっくりと取り組んで、素晴らしい作品に仕立て上げました。


 細部から順番に全体像までご覧下さい。

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     全体像はこんなです。

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これが元絵の図版です。一部を切り取って作品にしました。細部もかなり省略してあります。その上、構図も工夫してあります。

 ガラスモザイクの作品では、後ろの背の高い木が左右の真ん中に来るように配置してあります。それによって、その手前にある正面の建物に自然と目が行く様になっています。ただ切り取っただけでなく、1枚の風景画としてリニューアルされた絶妙の構成になっていますね。素晴らしいです。


 それでは仕上に入りましょう。

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     表面にテープを貼って剥がしとりました。

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     裏返すとこんな感じです。

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     裏から見ているので構図が左右反転しています。

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     基底材に貼付けました。

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  額裝して出来上がり。リビングに飾られたらさぞや良い雰囲気になることでしょう。
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by mosaiquedodeca | 2013-07-18 15:58 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)

NHK柏教室近況

 12月に入りました。NHK柏教室に新しく入会なさった生徒さん2名が最初の課題に選んだのがクリスマスツリーです。この課題は初心者の方に向いています。基本的な形、丸、三角、四角を作る練習になる上に、一番難しい三角の形がいびつになってもおかしく見えないからです。却ってそれがツリーの枝振りに適度なバラツキを与えてくれるので活き活きとした感じに仕上がります。あまり奇麗に作ってしまうと動きが止まってしまってつまらなくなってしまいます。

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左の作品は背景を明るめの色にしました。目地を入れて完成です。乾くと目地はもっと白くなります。背景の部分ももっと目立つ様になります。
右の作品は夜の風景にしました。背景を暗い色で埋めました。こちらは目地を入れると目地の明るさが邪魔をして夜にならなくなるので入れません。

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  それぞれの作品に合った明るさの額を選びました。うまくマッチしています。

 下は2〜3年前からの生徒さんの作品です。シスレーの風景画をモザイクで制作中です。細かい図柄に挑戦されています。

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  難しい所は殆ど完成、後は川の水面と空を仕上げるだけです。

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家や木の周りを背景の空の色で縁取るのですが、複雑な形をしているのでとても難しいです。そのやり方を鉛筆で指示。



 物の形を縁取るやり方はローマンモザイクの基本です。物(図)と背景(地)の空間をつなげ、物同士の空間(前後)関係を表現してくれます。

同じく2年程前から通っておられる方の作品が、分かり易いのでご紹介します。(1年程前の作品ですが)

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この作品は、梨の実の向こうに葉っぱがある事が表現されています。
何故かと云うと、梨を取り囲んでいる背景の白い縁取りを優先的に作ってから、その後で葉っぱの縁取りをしているからです。背景の作り方だけで物の前後関係が表されています。

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    こちらは葉っぱが梨よりも手前にある様に表現されています。

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 実はクリスマスツリーの作品も、背景の部分(見えているのは僅かですが)はしっかりとツリーを縁取りしています。最初からローマンモザイクの基本を説明出来る上でもこの課題は優れていると言えます。但し、これを課題に出来るのな今の季節だけですね・・・残念乍ら。
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by mosaiquedodeca | 2012-12-08 18:19 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)

 11月に入りました。今年は春から大変なことがあって、いつもの年より長い一年という印象ですが、それでももう残り僅かになってしまいました。郵便局やコンビニでは年賀状を売り出し始めています。私もそろそろ来年の干支のモザイクを作らなければなりません。というのは、ここのところずっと干支の動物のモザイクを作って写真に撮ってそれを賀状にしています。昨年の今頃のことを思い出すと、どのように作ったら良いか?まったく浮かばなくて困っていました。“昨年の来年” つまり、今年は兎年ですが、どこをどうやっても、私の作風からするとカワユイ兎ちゃんが作れるとは思えませんでした。思案の挙げ句、こどもの国の体験で作ってくれた子ども達の作品の写真を寄せ集めて作りました。賀状を受け取った人からは、「作風が変わったのか?と思ったよ」と云われました。
 さて、来年はというと、なんと辰ではありませんか? えっ、もしかしたら私は60歳になるのですか? 還暦? 赤いチャンチャンコ? う〜ん、実感わかないなあ。誕生日が12月なのでまだ58歳なんですが・・・・58も60も大して変わらないですね。
 それは兎も角、龍は難しいです。何しろ十二支の中で唯一架空の動物ですからねえ・・。昨年のように子供たちに頼れないし(誰も作っていませんから)。さて、どうしたもんか? と目下思案中です。

 そんな今日この頃ですが、鎌取のガラスモザイク教室の生徒さんが、同じ十二支の一つ。龍とはライバルの(とても強い2人の英雄を「龍虎」と例えて言うことがありますよね)、虎のモザイクを完成させました。これがまたとっても可愛い虎なのです。ご覧下さい。

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 これが使えたらいい年賀状になるのに・・・。しかし残念ながら虎年は去年でした。2年前ならねえ・・、これを使えるのは10年後ですね。
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by mosaiquedodeca | 2011-11-06 08:11 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)
 私はNHK柏の他に鎌取(外房線)のカルチャーセンターでガラスモザイクを教えています。今日はその作品をの一部をご紹介します。

 先ずはユニークなシリーズ作品を作っておられるTKさん。目地入れ前の作品もありますが見て下さい。


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 ご覧になって何の絵か分かりましたでしょうか?すべての作品に猫のカップルの後ろ姿が・・・・。

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こちらは模様化した猫の顔。いろんな形が組み合わさって顔になっています。良く見るとCUTの文字が・・。

 次は猫目シリーズ。飲み物に興味のある猫です。大胆な構図がいいですね。

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         ワイングラスと猫

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        コーヒーカップと猫

 次はNさんの唐辛子の作品。画面構成が無駄無く良く出来ています。

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 同じ方のステンドグラスのガラスを使った作品。

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素晴らしい夕日ですね。実はステンドグラスの専門家の方です。画面割りの仕方にその特徴が表れています。構成が素晴らしいのはだからなんですね。

 次はTNさんのアニメのキャラクターをつくった作品。足の表現が面白いです。肉球が並んでいる所が感じが出ています。

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         同じ方のひまわりの作品

 次はTMさんのワイングラスとボトル。

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 最後はTOさんの葡萄の作品。大体どなたでも一度は作られるモチーフですがそれぞれ少し色合いと形の捉え方が違います。淡い色合いの優しい感じの作品になりました。

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         こちらは違う方の葡萄作品。

 この教室の生徒さん達の何人かが私の自宅モザイクハウスを見たいと仰って、先日訪れになりました。その時の事はまたの機会に。
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by mosaiquedodeca | 2011-09-11 16:45 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)

目地力

 「目地力」 という言葉をご存知ですか? メジカラではありません。メジリョクです。レンガとレンガの隙間、或いは壁に貼付けたタイルとタイルの隙間に詰まっている物、それを「目地(メジ)」と言います。大抵はセメント系のモルタルで出来ています。タイル用のものは、INAXなどで “目地材”として粉のものが販売されています。ガラスモザイクの場合も隙間に目地を詰めます。剥離防止の役割と、仕上がりの表面を平にならすことでガラスの角の引っ掛かりを押さえる、危険防止の意味もあります。
 「目地力」とは、モザイクに於いてこの目地の効果のことを言います。おそらくこの文を読み始めたどなたも、この言葉を知らないと思います。何故かと言えば、私が作った言葉だからです。いいえ正確には私ではなく、私がカルチャーセンターで教えている生徒さんの1人が作った言葉です。
 ガラスモザイクの制作中の作品には当然ですが目地は施してありません。ガラスチップの隙間には制作台の下地とガラスの影が見えているのですが、その部分はあまり目立たず、並べたガラスの色だけが強く見えています。以前にも書いたことがありますが、モザイクに於いては、モザイク片の “形”と “並べ方”で物や空間が表現出来ます。最も重要なのはそのことで、色合いが正確なだけでは絵になりません。従って、描かれるモノだけでなくその周りの余白の部分もキッチリとモザイク片の形を作って並べなければならないのです。適当な形の組み合わせで隙間を埋めれば良いという訳ではありません。教室ではこのモザイク片の並べ方についていつも厳しく言っています。これが言わばモザイクの “命”だからです。
 このような訳で、たとえ小さな作品でも結構時間が掛かり、皆さん大変な思いをして作られます。ガラスはなかなか思うような形に割れてくれないし、無駄はでるし・・・。ようやく完成した作品を基底材に貼付けて、目地を入れ終えると、作品の印象が制作中と一変します。なんだか心許なかった出来映えが、目地が詰まる事によって立派なものに見えます。苦労して調整したガラス片の形がクッキリと浮かび上がり、その意味合いがハッキリしてきます。とても立派な作品の完成です。目地入れ前と後の劇的な変化に生徒さんの1人が思わず「目地力ね!、目地力ってすごいわ!」と叫んだのが、この言葉の誕生でした。

※ 蛇足ですが、百科事典で調べてもこの言葉は出て来ないと思います。(当たり前か)


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梨が三個並んだ作品。梨のふくらみを現すガラス片の並べ方とそれを取り囲む白い地の部分のピースの並べ方をご覧下さい。チャーミングに仕上がりました。


 以下は目地入れ前後の作品例です。

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by mosaiquedodeca | 2011-06-10 18:51 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)

表札いろいろ

 ガラスモザイク教室では表札を作られる方が結構いらっしゃいます。最近特に多くなってきました。自宅工房の教室でも立て続けに3人の方が作られ、4人目の方が制作中です。

 表札の文字は、カタカナやひらがなもありますが、やはりアルファベットと漢字が多いようです。アルファベットは作りやすいですが、漢字は複雑な上、筆順等を考慮に入れなくてはならない為とても難しいです。決まった大きさのガラスタイルから作るので長い線は幾つかに分断されます。それを何処で切って繋いだら良いのか?なかなか答えは見付かりません。基底材に貼付けて目地入れまでして完成しても、改めて見直すとやり直したくなる部分が見付かります。

 下の作品は H 君が友人の為に作った表札です。
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いくつか切り口(繋ぎ)の線の方向に問題がありますが、撥ねの部分など筆書きの感じがうまく出来ました。きっと送られた方は嬉しいことでしょう。

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     側面にもガラスタイルを貼付けて重量感が出ています。

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こちらも同じく漢字の表札。まだ基底材に貼付けてなく、テープのままなので色合いは見えませんが、書体の感じは分かります。撥ねが鋭く、清潔感のある字に出来ました。「高」の字が特殊な書体です。右下の撥ねは要らないんですかとお聞きしたら、いらないのだそうです。

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ピンク系の地に赤いアーチ、その上に黒い線で名前。鉄線で作られている表札のデザインのようです。四葉のクローバが向かい合わせのデザインが素敵ですね。

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上部にステンレス製のフック。側面にもガラスタイルを貼付け、そして裏側にも全面色ガラスタイルが・・・

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こちらは制作中の表札。門柱のサイズに合わせて寸法を決めました。上品な色合いのすっきりしたデザインです。左にはラベンダーの模様が入る予定。出来上がりが楽しみです。


最後に1年程前に作った他の生徒さんの作品を紹介します。こちらは名前では無く、ルームナンバーのみの表札です。

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オリーブの枝でリングを作り、その中にナンバーが。数字の周りも線に沿ってちゃんと縁取り。それもオリーブ枝の内側全部を何重にも重ねてあります。伝統的なモザイクの作り方の一つですが、くるくる回ってとても楽しい感じに出来ました。見てると素朴な作りと柔らかな色合いと相まって、なんだか自然に笑顔になって来てしまいます。


 今回は少し真面目な感じの、漢字の表札に始まって、最後は心が和むような楽しい作品を紹介しました。 因みに1番目に紹介した表札を作った彼は本人も真面目な好青年で、表札を送られた彼と一緒に休日を利用して東北の被災地にボランティアに出掛けると言ってました。作品も人柄が反映したのか大変真面目な雰囲気に仕上がっています。行く場所の状況をちゃんと調べて、気を付けて行って来るように伝えました。最後に紹介した “ナンバー” の表札を作った F さんは新婚です。新しい住居の郵便受けに設置したもので、何だかニコニコした作品に出来上がったのも頷けますね。昨年末に第一子を出産されて、今は教室の方はお休みされています。近いうちにお子さんを連れて実家に(近所です)見えるそうです。赤ちゃんを拝見させてもらえそうです。
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by mosaiquedodeca | 2011-05-19 20:56 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)

柏教室近況

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 自宅工房「モザイクハウス」でガラスモザイク教室を開いていますが、ガラスモザイクの面白さをもっと沢山の人に知っていただこうと、何カ所かのカルチャーセンターでも講座を持っています。以前その内の一つ、柏(千葉県)のNHKカルチャーセンターでの生徒さんの作品を紹介したことがあります。その時は生徒さんも始めたばかりの方が多くて私の小品のコピーを作ってもらっていました。その後オリジナル作品を作られるようになって、最近それが富みに充実してきました。結構精緻な作品が出来ています。今日は柏教室の続編ということでそれらをご紹介します。



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by mosaiquedodeca | 2010-06-21 06:19 | ガラスモザイク教室 | Comments(2)
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T さんはとてもユニークな作品を作ります。絵がとっても上手で、可愛くてユーモラスな下絵を描いて来て作品にしています。例えば上の作品。黒猫が赤いマントを羽織って、赤いバッグを持ってこちらを見ている図。題して「猫のおつかい」。この作品はなかなか完成しませんでした。ピースの並べ方がいまいち理解出来ずに何度もやり直したからです。最初の頃の T さんは私がちょっと目を離すとすぐに適当な形のピースを並べて空間を埋めてしまいました。それだと色は合っているのですが形や空間が “モザイク” の絵にならないのです。それでやり直さざるを得なくなるのでとても時間が掛かるという訳です。
 “モザイクは自分には向いてないのかしら” なんて弱音を吐く事もしばしばでした。そんな T さんでしたが、ある時一大決心をして、教室の棚に立てかけてあった私の古い作品(桃の作品)を模写すると言い出しました。それはいつもの作品よりはずっと大きい作品だったのでちょっとびっくり、 “大丈夫かなあ?” と思いました。しかし考えてみれば、ピース割りが大きくてとても分かり易い作品なので見本通りに作れば形の法則性がよく理解出来る筈です。この時は私も殆ど付きっきりで、ガラスピース一個一個をすべて妥協する事なく正しい形と並べ方を指導しました。ちょっと時間は掛かりましたが完成させてみたら、どうでしょう、多少ぎこちなさはあるもののきちんとした作品が出来ました。この作品が出来てからの T さんの作品作りには劇的な変化がありました。ピースの形の作り方が完全に理解出来たようで、次に取り掛かった作品はするするとスムーズに行き、あっという間に出来あがってしまいました。その作品は一回の授業で完成し、写真を撮る間も無くその日に持ち帰られたので残念ながらここでご紹介出来ません。

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その後は作品作りが本当に面白くなられたようで、嬉々として取り組んでいらっしゃいます。最近はけっこう難しい作品に臨んでいます。ご自宅だか親戚だかの家の池に立派な鯉が居るそうで、それをモチーフに作っておられます。見てください、この躍動感のある力強い鯉を。こどもの日までには出来上がりそうです。

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     こちらは以前のもの。猫の作品同様、とても楽しい作品ですね。
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by mosaiquedodeca | 2010-04-20 06:49 | ガラスモザイク教室 | Comments(0)