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ガラスモザイクに関する様々な事を綴り、紹介するブログ


by mosaiquedodeca
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牛筋と大根ラーメン

 チェーン店の食べ物屋というのは美味しい所も、不味い所もありますが、何処に行っても同じ様な味で、文字通り“味気”がありません。この間、某ラーメン店(チェーン店)に行ったら恐ろしく不味いラーメンを食わされて参ってしまいました。腹が減っていたのでなんとか麺だけ食べて早々にお金を払って出て来ましたが、ストレスが溜りました。一食損した感覚がずっと頭の中に残ってしまって、幾日かしたところで無性に外食のラーメンを食べに行きたくなってしまいました。大袈裟に言うとリベンジしたくなったのです。今度は思いっきり美味しいラーメンを食べて吹っ切りたいと思ったのでした。

 そこで今回はチェーン店ではない、以前から気になっているのだけれど、一度も入った事の無い中華料理店に行こうということになりました。そのお店は昔ならどこにでもあったような個人店ですが、今となっては結構見つけるのがむずかしくなっています。夕方の、人気店なら混んでいてもおかしく無い時間帯でしたが、駐車場に車を止めて中を覗き込んだら・・・お客さんが居ません。“おやおや、返り討ちに合うかも知れないぞ、こりゃあ”と不安いっぱいになりましたが、思い切って扉を押しました。中に入ると何だか煙たくて風邪気味の私はちょっとキツかったです。換気が悪いのですね。それでも我慢をしていたらなんとか慣れてきました。小さなテーブルが2、3個。部屋の片側は靴を脱いで上がる畳の間になっていて、やはり座卓が2つ。とても小さなお店なのです。厨房と対面するカウンター(物が置いてあってここでは食べられない)の上、壁の殆ど全面に手書きのメニューが貼付けてありました。“何を食べようかな?”とそれらのメニューを見渡したら、何だか変な事が書かれています。「レバニラ炒め麺」「牛筋と大根入りラーメン」。なんだこりゃ!。 やたらニコニコして愛想の良い、楽しそうに話すおばさんに「変わったものがあるね、この店は。牛筋と大根ラーメンって何?」と言うと、それは冬場限定のメニューなんだそうです。面白いのでそれを頼む事にしました。家内と2人だったので一杯づつ頼んでもし不味かったらどうしようと迷っていたら、おばちゃんが「違うものを頼んで半分づつ食べたら」と提案してくれました。そこで「焼きそば」と「牛筋・・・」を注文しました。昭和にタイムスリップした様な懐かしい空間のお店の中で、ラーメンが出来上がるのを待っていると、何だか楽しくなってきました。“たとえ不味くても、まあいいや。それはそれで面白い。今時まだこんな店があるだけで楽しい”と思えてきたのです。

 しばらくして頼んだものが出て来ました。スープが染み込んで茶色に透き通った大根。とろとろに煮込んで、バラバラになりそうな牛筋。スープを口に含んでみたら・・・、“うっ、うまい!!”。すごくうまい!。体中が幸せでいっぱいになりました。麺を食べ、すぐに歯で噛み切れる牛筋を齧る。大根にかぶりつく。また麺を食べる。ラーメンで無くとも、普通の牛筋大根として食べてもむちゃくちゃうまい!。半ば強引におばちゃんに勧められた、半ライスと一緒に食べたら更に美味しさが増しました。一方の焼きそば。とろとろの餡かけが掛けられた立派なボリューム。適当に焦げて硬くなった麺の歯ごたえとダシの効いた餡が一体となってなんとも懐かしい美味さがありました。大満足です。

 気が付くと、前の不味かったお店の事はすっかり吹き飛んでいました。見事リベンジが叶ったという訳です。後日リピートして、今度は「牛筋・・」をそれぞれ一杯づつ食べましたが、この時も我々の他にはお客さんが一人しかませんでした。もしかしたら、昼時にはお客さんがいっぱいなのかも知れないと思いますが、なんだか心配になります。折角見つけたお店なので、いつまでも営業してくれるように願わずにはおられません。潰れないでくれよ〜・・・。

PS:「牛筋と大根ラーメン」なんてものはこのお店のご主人の創作なんじゃないかと思いましたが、念のためネットで調べてみました。そしたら目黒に「牛筋大根ラーメン」というのを出すお店があるということが分かりました。そことどういう関係が有るのか?あるいは無いのか?は分かりませんが、どういう訳かここのは「牛筋」と「大根」の間に「の」が入っています。端折って言わない所に何だか好感が持てました。
by mosaiquedodeca | 2013-03-14 15:42